日本と台湾の銀行同士の提携は、静岡銀行と中国信託ホールディングが「業務提携協力覚書」を締結した2013年くらいから頻繁に行われるようになり、2020年4月にはりそな銀行と玉山商業銀行が「業務協力の覚書」を締結するなど、日本の多くの銀行が台湾の銀行と提携するようになっています。

また、2015年12月には福岡銀行が台北駐在事務所を開設し、2016年10月には秋田銀行が台湾事務所を開設、2019年3月には鹿児島銀行が台北駐在員事務所を開設するなど、日本の銀行の台湾進出も積極的になっています。

7月6日、台北駐在員事務所を開設している鹿児島銀行は、同じ九州フィナンシャルグループの肥後銀行とともに玉山商業銀行と「業務提携に関する覚書」を締結しました。

両行のニュースリリースによりますと、提携の目的は、1)海外進出支援、2)農林水産業、再生可能エネルギー事業、地方創生をはじめとした産業支援、3)金融・非金融サービスの提供、4)各種支援、サービスに係る人材交流をめざしているそうです。

NHKは「今回の業務提携は台湾のTSMCが菊陽町に工場を建設することを受け、今後、経済交流の活発化が見込めることから実現した」「すでにTSMCの台湾の関係企業から用地の問い合わせが数件来ている」と報じています。

この日台の銀行提携はTSMC効果だそうで、嬉しいニュースです。いまTSMC効果としてもっとも期待されているのは、熊本空港と桃園空港との定期便が飛ぶようになることだそうで、ぜひ実現することを待ち望んでいます。

◆ニュースリリース:玉山商業銀行股份有限公司(台湾)との業務提携に関する覚書の締結について[7月6日]


肥後銀行と鹿児島銀行が台湾の銀行と業務提携の覚書交わす

【NHKニュース:2020年7月6日】

台湾の大手半導体メーカーTSMCの県内進出を受け、肥後銀行と鹿児島銀行が、台湾の銀行と業務提携の覚書を交わし、両地域の経済交流を進めていくことになりました。

業務提携の覚書を交わしたのは肥後銀行と、同じ九州フィナンシャルグループの鹿児島銀行、そして台湾の玉山銀行です。

熊本市西区で3行による締結式が行われ、玉山銀行の会長もオンラインで参加し、それぞれ覚書にサインしました。

今回の業務提携は台湾のTSMCが菊陽町に工場を建設することを受け、今後、経済交流の活発化が見込めることから実現したということです。

具体的には3行の間で人材交流を進めるとともに、台湾と九州双方への企業の進出や駐在員の生活支援、それに農林水産物の輸出入や観光の促進などで連携を進めるとしています。

肥後銀行によりますと、すでにTSMCの台湾の関係企業から用地の問い合わせが数件来ているということです。

玉山銀行の黄男州会長は「台湾と九州の間の事業投資や人材交流のプラットフォームをつくり、双方の協力関係が緊密なものになることを願う」と話していました。

また肥後銀行の笠原慶久頭取は「TSMC進出で熊本では台湾への注目が高まっている。産業や観光分野でシナジー効果を発揮し日本と台湾の未来を創造する懸け橋となりたい」と話していました。