【2015年1月29日追記】現在、本会は単独で、台湾の李登輝民主協会および台日経済文化協会をカウンターパートとして毎年、桜募金、桜の苗木寄贈および「桜ツアー」を開催しています。関連の活動については、本会HPや機関誌『日台共栄』、メールマガジン「日台共栄」などでお伝えします。
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平成15年(2003年)2月、NPO法人育桜会と社団法人霞会館(旧華族会館)が静岡県は伊豆河津町を原産とする河津桜200本を台湾の李登輝之友会全国総会に寄贈したところ、平成17年(2005年)2月見事に開花しました。
枝ぶりはまだ幼いものの、花が大きく少々色の濃い河津桜は台湾の風景に見事に溶け込み素晴らしい光景だったそうで、李登輝前総統もたいへん喜ばれたとのことです。そこで、台湾・李登輝之友会全国総会の黄崑虎会長(総統府国策顧問)から本会を介して育桜会に桜寄贈の依頼があり、このたび再び寄贈することが決まりました。
そこで同年10月5日、台北市の国賓大飯店において、桜寄贈合意書への調印式が行われました。育桜会と本会が2006年(平成18年)1月に苗木1,000本を寄贈し、将来的に日台が力を合わせて1万本にしようという内容です。
この調印式には李登輝前総統も「見證人」として出席され、育桜会の園田天光光理事長(園田直元外相夫人)と、台湾・李登輝之友会全国総会の黄崑虎会長の三者で調印にいたりました。
李登輝前総統は「台湾の人々も日本の桜を麗しいと共感しております。私はこのたびの桜の苗木を台湾全土に広げることにより、台湾と日本の親善友好の基礎がいっそう広まるのではないかと信じております。一日も早く日本の方々と一緒に花見大会を満喫いたしたいと念願しております」と挨拶されています。
すでに李登輝之友会全国総会は台湾政府の支援の下、桜を植樹する場所として、台湾大地震の震源に近い南投県の九九峰に70ヘクタールもの土地を確保しています。
日本から台湾への桜(河津桜)寄贈に関する経緯
【2003年/平成15年】
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2月18日
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台北・国賓大飯店にて、NPO法人育桜会の園田天光光理事長と李登輝之友会全国総会の黄崑虎総会長が桜寄贈の合意書に調印。同時に苗木200本を寄贈(育桜会100本、社団法人霞会館100本)。 |
【2004年/平成16年】
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2月
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1年間の仮植樹期間を経て、台北・陽明山、新竹市、桃園・大渓に本植樹。 |
【2005年/平成17年】
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2月中旬
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台北・陽明山、新竹市、桃園・大渓に植えた桜が開花(9月前後にも一部開花)。 |
3月16日
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黄崑虎総会長が訪台中の柚原正敬・日本李登輝友の会事務局長に、育桜会による再寄贈意向確認の仲介を依頼。 |
4月26日
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来日中の黄崑虎総会長と園田天光光理事長が東京都内で懇談し、桜の再寄贈に合意。 |
7月21日
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李登輝之友会全国総会より育桜会と日本李登輝友の会に桜寄贈依頼書が到着。 |
10月5日
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育桜会と日本李登輝友の会が訪台し、黄崑虎総会長の斡旋により南投県の林宗男県長を表敬訪問。林県長の案内により植樹予定地の九九峰を訪問。その後、新竹市にて陳全桂副市長の案内にて植樹された桜の様子を視察。夕刻、台北・国賓大飯店にて李登輝前総統、農業委員会主任委員(農水大臣に相当)、文化建設委員会主任委員(文化庁長官に相当)、南投県副県長(副知事に相当)などの立会いの下、黄崑虎総会長と園田理事長が寄贈の合意書に調印。李登輝前総統は「見證人」として署名。 |
11月2日
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育桜会の園田天光光理事長と日本李登輝友の会の小田村四郎会長が出席して、明治記念館にて記者会見を開催。 |
11月7日
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スカイパーフェクTV「日本文化チャンネル桜」の報道ワイド(大高未貴キャスター、井尻千男コメンテーター)に育桜会の園田天光光理事長と日本李登輝友の会の柚原正敬事務局長が出演して、桜寄贈について説明。 |
【2006年/平成18年】
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1月
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育桜会が日本李登輝友の会の協力支援の下、河津桜の苗木1,000本を李登輝之友会全国総会に寄贈予定。 |
2月14日
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南投県・名間にて、育桜会と本会が台湾の李登輝之友会全国総会に寄贈する河津桜の贈呈式と仮植樹を開催。 |
【河津桜(静岡県賀茂郡河津町原産)】河津桜の原木は、河津町の飯田勝美氏が昭和30年(1955年)の2月頃、河津川沿いに芽吹いている桜の苗を見つけて現在地に植えたもので、昭和41年(1966年)から開花がみられ、1月下旬頃から淡紅色の花が約1ヶ月にわたって咲き続けて近隣の注目を集めました。
県有用植物園(現農業試験場南伊豆分場)は、この特徴ある早咲き桜について調査し、河津町に原木があることから昭和49年(1974年)に「カワヅザクラ」(河津桜)と命名。昭和50年(1975年)には河津町の町木に指定されています。
河津桜はオオシマザクラ系とカンヒザクラ系の自然交配種と推定されていて、本州でも早咲きの種類に分類され、満開を長く維持できるのが特徴。毎年2月上旬から開花しはじめ、約1ヵ月を経て満開になります。ここ数年で全国に浸透し、2月中旬から開かれる「河津桜まつり」には150~200万人が訪れています。
園田理事長と小田村会長により桜寄贈の記者会見を11月2日に開催
「桜を台湾に贈るのは娘を嫁にやるような心境だ」と園田理事長
日本から台湾に桜の苗木を贈ることが決まり、去る11月2日、東京・港区の明治記念館において、桜を贈るNPO法人育桜会の園田天光光理事長と日本李登輝友の会の小田村四郎会長が出席して記者会見が行われました。
冒頭、司会の柚原正敬・日本李登輝友の会事務局長からこれまでの経緯が説明され、園田理事長と小田村会長がそれぞれコメントを発表し、その後、記者からの質問に答えました。経緯及び河津桜につきましては、最後に参考としてご紹介します。
園田理事長はいつものように着物姿で臨み、調印式のため10月に訪台したとき、桜を植樹する南投県の林宗男県長自ら九九峰の現地まで案内していただき、実際にこの目で確かめて感慨をさらに深めたと話し、また「桜を台湾に贈るのは娘を嫁にやるような心境だ」と述べるとともに、「娘さんを大事に育てます」という台湾の方々の言葉に大変感動したと感慨深げに話しました。
一方、小田村会長は、台湾は世界で最も親日的な国であり、愛知万博でも海外からは最も入場者が多かったことを挙げ、その台湾に日本の桜が贈られ、緑濃い台湾の景色の中に桜の花は大変マッチするのではないかと述べました。また、李登輝前総統の実兄はかつての戦争で亡くなったが、今は靖国神社に祀られているので、日本からの桜を一番喜んでおられるのは李登輝前総統ではないかと話しました。
桜は来年1月に1,000本贈られ、九九峰に造られる「南投大地芸術の森」の並木とされる予定だが、将来的には台湾側が接木や枝分けで増やしていくとともに、さらに来年以降も日本から寄贈することで台湾全土に桜を植え、日台が力を合わせて推進する計画となっています。
すでに育桜会が一昨年贈った200本の桜は今年の2月中旬に台北・陽明山、新竹市内、桃園・大渓の3ヶ所で開花しています。特に岡山市と姉妹都市提携している新竹市は桜の育成に熱心で、新竹李登輝之友会の方々の熱心なご協力により桜はすくすくと育っています。