昨年の高校生の台湾への修学旅行数は恐らく3万人を超え、アメリカに迫るか、抜き去るだろうと予想されていました。予想に違わず、公益財団法人全国修学旅行研究協会が1月17日に公表した「平成27年度全国公私立高等学校海外(国内)修学旅行・海外研修実施状況調査報告」によりますと、やはり台湾がアメリカを抜いてトップとなりました。上位5ヵ国・地域は下記のようになっています。

1位:台湾(3万6,356人、224校)、2位:アメリカ(3万6,170人、249校)、3位:シンガポール (2万792人、147校)、4位:オーストラリア(1万7,527人、116校)、5位:マレーシア(1万 6,572人、117校)

全国修学旅行研究協会の平成26年度(2014年度)調査では、アメリカが3万5,168人(260校)で1位、台湾は2万8,314人( 182校)で2位でしたから、台湾の伸び率は人数で128.4%、校数で123%を示し、他を圧倒しています。

ちなみに、アメリカは本土、ハワイ、グアム、サイパンを合計した統計です。963万平方キロメートルで世界3位を誇る広いアメリカと、3万6,000平方キロメートルで世界136位といわれる狭い台湾ですので、台湾への比率がいかに高いかがよく分かるかと思います。

文部科学省の調査によりますと、かつて中国への修学旅行は、2000年が4万1,695人(213校)、2002年が3万6,607人(201校)でいずれも第1位で、韓国も2000年が3万7,663人(241校)、2002年が3万5,364人(231校)と中国に次いでいましたが、2015年度は中国へは2,354人(22校)、韓国へも2,684人(29校)に激減し、すっかり様変わりしてしまいました。

本会では、台湾との姉妹都市などの都市間提携や鉄道提携が結ばれるたびに本会HPやメールマガジン「日台共栄」誌上でお伝えし、そうした提携が2012年から急増していることを指摘してきましたが、高校生の修学旅行先にもそれが明確に現れたようです。日台の絆はさらに強まっています。

なお、文部科学省が昭和61年(1986年)から2年に1回の割合で公表している「高等学校等における国際交流等の状況について」の平成27年度(2015年度)の発表は例年よりかなり遅れていて、今年度中に発表予定だそうです。

◆公益財団法人全国修学旅行研究協会「平成27年度全国公私立高等学校海外(国内)修学旅行・海外研修実施状況調査報告」(1月17日公表)