9月1日、北海道広尾郡(ひろおぐん)にある大樹町( たいきちょう)と台湾・高雄市の大樹区(だいじゅく)が同じ「大樹」 の名が縁で友好交流協定を締結しました。

協定締結には、 大樹町からは今年5月の選挙で副町長から町長に当選した酒森正人 (さかもり・まさと)町長や鈴木千秋(すずき・ちあき) 議長をはじめとする訪問団6名が大樹区を訪れ、黄傳殷・大樹区長と調印したそうです。 9月20日には大樹町で行われる柏林公園まつりに大樹区からの訪問団を迎え、協定締結の式典を行うそうです。

大樹町のホームページや地元紙によりますと、 そもそもは7年前の平成20年(2008年)10月に開町80周年記念事業として、 大樹がつく人を特別町民として登録しようと「大樹さん募集」 を実施したところ、これに応募した東京在住の田中大樹氏から「大樹」 という名の町があると、大樹町と大樹区の双方に連絡していただいたことがきっかけだったそうです。

2006年(平成18年) 11月1日に友好交流協定を結んだ高尾山のある東京の八王子市と 高雄市も、「高尾」と「高雄」が同じ発音だったからでした。また、 岐阜県の美濃市と高雄市の美濃区も同じ「美濃」ということで、 2012年11月29日に友好交流協定を結んでいますので、 こういう事例は3件目となります。

平成23年(2011年)11月には、 大樹町から当時の酒森副町長をはじめ10人が自費で大樹区を訪問して交流し、 翌24年9月には大樹区から黄区長をはじめ17人の方々が来町し て交流するなどして友好を深めてきたそうです。

昨年4月には大樹町に「大樹町日台親善協会」(福岡孝道会長) が設立され、8月に大樹町で台北駐日経済文化代表所札幌分所の陳桎宏・分所長の講演会を開催。 また、9月には日台親善協会が大樹区を再訪して陳菊・高雄市長や黄区長らと交流し、 11月には大樹区の農業課長らが大樹町訪ね、このような交流を重ねて絆が深まっていったそうです。

友好都市協定締結の話が出てきたのは昨年のことで、 高雄市の陳菊市長側からの誘いを陳桎宏・分所長が大樹町を訪問して伏見悦夫・町長(当時) に伝えたところ、町長も日台親善協会も応諾。

今年5月下旬には、大樹区で開催された「大樹区パイナップル・ アンド・ライチまつり」に参加し、大樹町のカマンベールチーズやストリングチーズ、 時鮭のチャンチャン焼きなどの特産品を持ち込んでPRする観光プロモーション事業を初めて実施したところ 、これらが台湾で広く受け入れられるような手応えを感じたたそうです。

本会HPやメールマガジン『日台共栄』で姉妹都市についてお伝えするときには必ず触れるようにしているのですが、やはり姉妹都市提携は「実利」がないと長続きしません。 文化交流や青少年交流など、持ち出しが多い交流だけでは長続きしないのが現実です。

ちなみに、高雄市の大樹区は、 本会が5月からご案内しているドラゴンライチ(玉荷包)や黒葉ライチの産地で、今年も大好評で、 昨年以上にお申し込みをいただきました。

それはともかく、 北海道の大樹町と高雄市の大樹区が友好交流協定で、 日台間の姉妹都市は37自治体となりました。末永く交流が続くことを願い、 心からお祝い申し上げます。

※その他の日台姉妹交流については「日台姉妹交流」のページをご覧ください。