日本の新幹線システムが初めて採用された台湾高速鉄道(台湾新幹線)について、同鉄道の殷キ会長は8日、今年10月の開業予定を1年間延期し、来年10月末とすることを発表した。

台湾新幹線は台北と台湾南部の高雄間の約345キロを最高時速300キロ、最速1時間半で結ぶ計画。車両は東海道・山陽新幹線「のぞみ」型車両を改良した700T型が導入されている。総事業費は日本円で約1兆6,000億円に上り、三井物産、三菱重工などが出資する日本の企業連合が機械電気システムを請け負い、2000年に建設がスタートしていた。

しかし、新幹線技術や車両など機械電気システムに日本だけでなく欧州のシステムも取り入れたため混乱し、設計や仕様の修正が相次ぎ、工事が遅れていた。

会見した殷会長は「工事の進行状況、システム試験や営業運転準備などの状況を分析し、延期を決めた。延期による違約は発生しない」と話した。