台湾大学日文系名誉教授の何瑞藤先生が6月20日午前8時9分、お亡くなりになりました。享年92。告別式は、6月30日午後5時30分から台北市立第一殯儀館福壽庁で行われるそうです。これまでのご指導に心から感謝申し上げるとともに謹んで哀悼の意を表します。
何瑞藤先生は、李登輝政権時代の1994年に台湾大学に日本語文学科を創設し、台湾日本研究学会理事長のときの2010年春、台湾における日本語教育の発展及び学術交流の促進に寄与した功をもって旭日中綬章を叙勲されています。台湾の国立大学に日本語文学科が設立されたのは初めてだったそうで、6年もの歳月を要したとのことです。
本会が2004年から毎年開いてきた日本李登輝学校台湾研修団(略称:李登輝学校研修団)でも、2015年5月開催の第23回研修団はテーマを「叙勲と台湾」とし、受章者のお一人として何瑞藤先生にも「台湾大学日本語学科創設の歴史と私の人生」と題して講義していただいたことがありました。
2002年の日本李登輝友の会の設立をさかのぼること7年、編集子がまだ出版社に勤務していたときの1995年、台湾大学に日本語文学科を創設されたことについて、日文系主任教授としての何瑞藤先生に、『日本と台湾・交流秘話』という単行本への原稿をお願いしたことがありました。
原稿は「台湾は日本の一番親しい隣人である。台・日両国の将来のためにも青年たちの真の交流をぜひとも実現したい」という強い気持ちがにじんだ結語で締めくくられていて、このフレーズはいまだに忘れられません。
何瑞藤先生をはじめとした先達のご尽力で、日台間は青年たちはもとより、世界に類を見ない強い結びつきを持つ間柄となっています。改めて感謝申し上げ、ご冥福をお祈り申し上げます。