日本と台湾の間では近年、姉妹鉄道や姉妹駅などの鉄道提携が頻繁に行われています。

4月19日、小田急電鉄と高雄市政府交通局は、アフター・コロナのための観光促進を目的に、鉄道やバス、シェアサイクルなど複数の交通手段を連携させる次世代移動サービス「MaaS」(マース)に関する協力に向けた覚書を締結しました。心から祝意を表し、中央通信社の記事を下記にご紹介します。

700万人もの往来があった日台間も、このコロナ禍では行きたくても行けない状況です。しかし、最近になって、伊豆半島の観光振興を推進する「一般社団法人美しい伊豆創造センター」と、台湾に本社を置くオプショナルツアー予約サイトを運営するオンライン旅行会社「KKday(ケイケイデイ)ジャパン」が伊豆半島の観光振興に関する包括連携協定を締結したり、日本台湾交流協会と台湾日本関係協会が「日台青少年交流の強化に関する覚書」を結ぶなど、アフター・コロナに向けた動きが出てきています。

鉄道提携も昨年は1件もなかったのですが、小田急電鉄と高雄市交通局のこの覚書締結でようやく動き出した感があります。

本会の調査によれば、日台間の鉄道提携は、1986年1月25日に大井川鐵道と阿里山森林鉄道が「姉妹鉄道」を締結したことに始まり、2020年11月4日の伊豆箱根鉄道の伊豆長岡駅と台湾鉄路管理局の礁渓駅の「姉妹駅協定」締結まで41件ありました。そのうち、2013年以降の8年間で40件です。2015年と2016年には年間8件にも及んでいました。

日台間のように頻繁に鉄道提携が結ばれることが他国間でもあるのかどうかよくわかりませんが、いずれにしても、年間平均5件ほどの鉄道提携は少なくないように思います。日台の特別な関係がこの鉄道提携にもよく表われているようです。

こちらのページで最新版の「日台『姉妹鉄道』一覧」をご紹介しています


高雄市交通局と小田急電鉄が覚書 次世代移動サービスで観光促進へ

【中央通信社:2022年4月19日】

中央社の報道より

高雄市政府交通局は19日、小田急電鉄と次世代移動サービス「MaaS」(マース)に関する協力に向けた覚書を締結した。新型コロナウイルス後を見据え、双方が提供するサービスを通じた観光促進を目指す。

鉄道やバス、シェアサイクルなど複数の交通手段を連携させるMaaS。高雄市では「MeNGo」、小田急電鉄では「EMot」をそれぞれ導入している。

締結式がオンライン形式で行われ、同局の張淑娟局長と小田急電鉄の久富雅史経営戦略部長が書類に署名した。同局は、それぞれのシステムで互いのサービスを利用できるようにし、相互誘客を狙うとしている。

張局長は、覚書締結はMeNGoの発展につながる上、同市のMaaS推進の成果を海外にアピールできると喜びを示した。

高雄市では2018年、公共交通機関の利用を促そうとMeNGoを導入。専用のカードでメトロ(MRT)やライトレール(軽軌、LRT)、バス、フェリーなどが利用でき、これらの交通機関が乗り放題になる月額サービスを提供している。専用のスマートフォン向けアプリでルートの検索などもできる。