オンラインで覚書を締結した両校(中央通訊社の報道より)

北海道の「名寄(なよろ)日台親善協会」は2015年7月17日、名寄市及び台湾の交流を促進し、民間レベルでの友好親善及び相互理解を深めることを目的として設立されたそうです。事務所を名寄商工会議所内に設置し、台湾との交流事業を進める名寄市と一心同体で活動してきているようです。

これまで、台湾との交流事業として「台湾フェア」の開催や台湾親善訪問団の派遣などを行い、近年は名寄市の中学生8名を台北市へ派遣して中山国民中学の生徒との交流(2018年1月)、台湾・員林高級中学の高校生32名の訪問を受けて名寄産業高校と交流(2018年10月)、台湾国立中山大学学生20名と教職員4名の受け入れと交流(2019年1月31日~2月11日)、この間の2月5日には中山大学学生を講師として台湾文化講座「タピオカのひみつ」を開催。また、嘉義県太保市より農業青年3名と農会職員1名を受け入れての農業交流(2019年7月)も行ったといいます。

今年は武漢肺炎の世界的流行を受け、中学生の台湾派遣事業を中止せざるを得なかったそうですが、これまで交流してきた台湾のロータリークラブよりマスク3万枚の寄贈(5月22日)、太保市農会より医療用ガウン300着と手袋5000セットの寄贈(6月8日)、高雄市国立中山大学より医療用ガウン25枚と手袋500セットの寄贈(6月10日)があったそうです。

その上、昨年2月の国立中山大学学生20名と教職員4名との交流が実を結び、名寄市は10月13日、オンラインにより加藤剛士(かとう・たけし)名寄市長と中山大学西湾学院の蔡敦浩院長が「国際交流に関する覚書」を締結したそうです。

下記に紹介する中央通信社は「台湾の国立大学が日本の地方自治体と交流協定を結ぶのは初めて」と伝えています。この日台の学官提携を心からお祝い申し上げ、今後の末永い交流を祈念しています。

ちなみに、中山大学には2016年10月3日、李登輝総統ご夫妻も記念式典に出席する中、台湾で初めて大学の学術部門に「李登輝」の名を冠した「李登輝政府研究センター」が開設され、李登輝元総統の政策や思想などについて研究を進め、李登輝元総統に関する図書なども整備されています。

日本との縁も深く、日本台湾交流協会などの支援で2010年に「日本研究センター」も開設しています。


台湾の国立大学、北海道名寄市と交流覚書 協力関係深化へ

【中央通信社:2020年10月17日】

南部・高雄市の国立中山大学西湾学院と北海道名寄市が16日、オンラインで国際交流に関する覚書を締結した。台湾の国立大学が日本の地方自治体と交流協定を結ぶのは初めて。

中山大学西湾学院の呉亦昕助理教授(助教)によれば、両者を結び付けるきっかけとなったのは、同大が今年1~2月に実施した海外研修。学生20人が同市に12日間滞在し、各種のボランティア活動を通じて市民らと交流した。

その後、世界で新型コロナウイルスの感染が拡大。研修に参加した学生が、同市では医療物資が不足していると聞き及び、自主的に募金活動を開始。防護服やゴーグル、医療用手袋などを購入し、同大を通じて同市社会福祉協議会に寄付したことで、双方の距離がさらに縮まった。

同院の蔡敦浩院長は、覚書を通じて共に新しい台日関係を切り開く人材を育成したいと期待を寄せるとともに、同大がシンクタンクとなって同市の地方創生に貢献することにも意欲を示した。