日本と台湾の絆は深い。日台ともに最良の関係と認める状態が続いている。だが、日本人は台湾についてどれほど知っているのだろう、戦後の苦難に満ちた民主化の歴史をどれほど理解しているのだろうと、思わざるをえない言動を見かけることがままある。台湾の民主主義が整うまでの道筋を、わかりやすく俯瞰できるのが本書だ。

李登輝以後の台湾ならほぼ知っていると思っている人でさえ、新鮮な驚きを覚える通史となっているのが、浅野氏執筆の「台湾の民主化と政権交代」で、本書の核をなす力作だ。また、「台湾における選挙の歴史」(松本一輝氏)や台湾省と福建省の廃止と直轄市設置の関係を描く「中華民国の台湾化」(山形勝義氏)、国交のない日台交流の重要ポイントである日華議員懇談会など国会議員連盟の系譜(吉田龍太郎氏)も収録し、目配りのよく利いた内容だ。

台湾を知らずして日台関係は深化させられない。待望の好著としてお薦めしたい。

浅野和生(あさの・かずお)
1959年(昭和34年)、東京都生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後、同大学大学院博士課程修了。平成国際大学助教授などを経て、2004年、同大教授に就任。法学博士。同大学大学院法学研究科長。2005年10月、日本版「台湾関係法」の私案として「日台関係基本法」を発表。主な著書に『大正デモクラシーと陸軍』『日米同盟と台湾』『台湾の歴史と日台関係』など。編著に『日台関係と日中関係』『親台論』『中華民国の台湾化と中国』『日台関係を繋いだ台湾の人びと(1)(2)』『台湾の民主化と政権交代』など。日本選挙学会理事、日本法政学会会理事、日本李登輝友の会常務理事、日米台関係研究所理事、日台関係研究会事務局長。

2020年1月吉日

                                    日本李登輝友の会

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【展転社 発行:2019年12月 定価:1,870円(税込) 四六判・並製・248頁】

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