林彦宏氏(本会撮影)

7月18日に発売された「新潮45」8月号が「日本を不幸にする『朝日新聞』」という特集を組んでいる。一部・二部構成で、二部のトップで「間違いだらけの『台湾』情勢」とあり、執筆者は林彦宏氏。「はやし・ひこひろ」とは聞き慣れない名前だなと思ったが、次の瞬間、「はやし」ではなく「りん・げんこう」氏のことだと気づいた。

故黄昭堂氏を初代理事長に、2代目を羅福全氏がつとめ、現在は陳南天氏が理事長をつとめる台湾安保協会で秘書長をつとめるのが林彦宏氏だ。現在、副理事長に就いている李明俊氏の後任として秘書長に就任した。

台湾安保協会は毎年9月に国際シンポジウムを開催、これまで日本からは櫻井よしこ氏、安倍晋三氏、渡辺利夫氏、長島昭久氏、金田秀昭氏など、日本を代表する識者や政治家がパネリストとして招かれている。総統就任前の蔡英文氏や総統府秘書長のときの呉釗燮氏(現外交部長)など錚々たる方々も来賓として臨席する、台湾でもよく知られた研究機関だ。

林彦宏氏は中正大学戦略及び国際事務研究所の准教授の傍ら、台湾安保協会秘書長をつとめ、本会の李登輝学校研修団でも日台の安全保障をテーマに講師をつとめていただいている。

林氏の「間違いだらけの『台湾』情勢」は、「本当にこの新聞社は台湾のことを理解しているのだろうか」と疑問を投げかける形ではじまり、台湾が置かれている現在の安全保障環境について、中国がいかに軍事的圧力をかけているかを述べ、そこで朝日新聞5月21日付の社説や5月19日付の記事などを俎上に乗せ、朝日のミスリードを的確に分析している。2ページほどの短い論考だが、メディア・リテラシー(情報を評価・識別する能力)の高さがよくわかる読み応えのある一編だ。

林彦宏氏には11月の台湾統一地方選挙の前後に実施する予定の李登輝学校研修団でまた講師をお願いすることになるだろう。今年で41歳。早稲田大学の博士課程を修了し、岡山大学でも講師をつとめていたことから日本語も達者だ。少壮気鋭の台湾学者がどのように台湾情勢を分析し、朝日新聞のどこを批判しているか、一読をお勧めしたい。

◆林彦宏
1977年、台湾生まれ。淡江大学卒業。2005年より早稲田大学政治学研究科に交換留学。2012年、同大学公共経営研究科博士課程修了。2014年〜2016年、岡山大学グローバル・パートナーズ職員兼講師。中正大学戦略及国際事務研究所准教授。

◆新潮45 2018年8月号【特別定価900円(税込)7月18日発売】
・間違いだらけの「台湾」情勢/林彦宏
・「安倍嫌い」女性編集委員の「ダメな日本語」/古谷経衡
・不公平な受験を生む「天声人語」商売/八幡和郎
・読者誘って「婚活ビジネス」か/大江舜
・もう止めるべきだろう「夏の甲子園」/小林信也
・「LGBT」支援の度が過ぎる/杉田水脈