覚書を締結した康裕成・高雄市議会議長(右)と白壁賢一・山梨県議会議長(高雄市政府のHPより)

日本と台湾の地方議員による「日台交流サミット」は2015年から毎年開かれ、7月7日、今年初めて台湾・高雄で開催された。日本から東京都、山梨県、名古屋市など約40の自治体から約300人、台湾からも22県市議会から約120人が参加し、交流協定書に調印するなど交流を深めた。

これに先立つ7月6日、日本台湾交流協会高雄事務所の岩倉知明・副所長や高雄市の許立明・代理市長が立会い、山梨県議会と高雄市議会が高雄市議会において「友好交流促進覚書」を締結、山梨県議会の白壁賢一(しらかべ・けんいち)議長と高雄市議会の康裕成議長が調印した。

今年はすでに6月8日に和歌山市議会と高雄市議会が「友好交流覚書」を結び、6月13日には京都市会と台南市議会が「友好交流協定」を結んでおり、今回の山梨県議会と高雄市議会の「友好交流促進覚書」締結で3件目となる。

また、神奈川県議会は10年前の2008年4月16日に台北県議会と「友好交流協定」を結んでいたが、台北県は2010年12月に新北市に改称していることから、今年4月、神奈川県議会が新北市議会を訪れ「新北市議会・神奈川県議会友好交流協定提携10周年覚書」を締結している。

「日台交流サミット」の開催によく現れているように、地方議会による活発な日台交流の背景には、一昨年の2016年5月26日に「全国日台友好議員協議会」(藤田和秀・会長、名古屋市議会議員)が設立されたことが大きく影響している。その目的に「台湾内各都市と連携を図るとともに、相互理解に努め、台湾各都市との交流を推進すること」と掲げている。

一方、台湾でもこの日本の動きに呼応し、今年5月16日に「台湾地方議会友日議員連盟」が結成され、高雄市議会の康裕成議長が会長に就任している。

先に触れたように、高雄市議会は6月に和歌山市議会と「友好交流覚書」締結しているが、これは高雄市議会として初めて市議会同士の締結で、山梨県議会との「友好交流促進覚書」締結ですでに2件目となり、康裕成会長自ら日本の地方議会と活発に交流している。

山梨県議会と高雄市議会の「友好交流促進覚書」締結を祝しつつ、下記に中央通信社の記事とをご紹介したい。


高雄市議会と山梨県議会、友好交流の覚書締結

【中央通信社:2018年7月7日】

高雄市議会と山梨県議会は6日、同市議会で友好交流の覚書を結んだ。許立明代理市長は、両都市は今年3月にも観光分野の交流に関する覚書を交わしたと言及。市産ナツメが2月から日本向けに輸出されており、5月には高雄のイベントに山梨県の人員を招くなどの交流が行われているとした上で、今回の覚書締結で双方がより近しい間柄になると喜んだ。 

高雄市議会はこれまでに横浜市、大阪府、熊本市、和歌山市の議会と同様の覚書を交わしている。康裕成議長は、日台の議会交流がますます盛んになっていると述べ、山梨県議会との交流を通じて両地の距離感を縮めたいと意気込みを語った。 

山梨県議会の白壁賢一議長は中国語と台湾語のあいさつを披露。両地は果物の生産が盛んなことなど共通点が多いと述べ、今後、両議会が各自の影響力を生かして双方の交流強化を促進したいと期待を示した。