林佳龍・台中市長と記念写真におさまる金沢市の黒沢和規・市議会議長ら(台中市政府の市政新聞より)

石川県と台湾の交流は深い。烏山頭ダムを造った金沢出身の八田與一を縁とし、烏山頭ダムの畔に建てられている八田技師のお墓の前で毎年行われている墓前祭に「八田技師夫妻を慕い台湾と友好の会」が1985年(昭和60年)に初めて参拝したことにさかのぼるという。

それ以降、同会は墓前祭に毎年参列し、2006年12月19日には石川県議会と台南県議会(現台南市議会)が友好交流協定を結ぶという議会交流にも伸展している。

その後、やはり金沢の出身で、旧制第四高等学校や東京帝大、台湾総督府でも八田技師の直属の後輩にあたる磯田謙雄(いそだ・のりお)技師が1932年10月、台中市内に白冷圳(はくれいしゅう)という逆サイフォンの原理を利用した農業用水路を造ったことから、金沢市と台中市の交流も始まっている。

金沢市議会は本年2017年1月8日、八田技師を通じて台南市議会と友好協定を結んでいるが、今度は磯田技師を通じて11月9日に台中市議会(林士昌・議長)と友好交流協定を締結したという。

金沢市議会の黒沢和規(くろさわ・かずき)議長一行は協定締結の翌日午前9時、林佳龍・台中市長を市庁舎に訪問し、黒沢議長が「産業や経済、文化、スポーツなど各分野で交流を強化し、議会の定期的な相互訪問を通じて友好関係を深化できればと期待を寄せた」と伝える中央通信社の記事を下記にご紹介し、心から祝意を表したい。


台中市長、金沢市議長や大分県副知事と面会 関係深化に意欲

【中央通信社:2017年11月10日】

中部・台中市の林佳龍市長は10日、同市政府で、石川県金沢市議会の黒沢和規議長や大分県の安東隆副知事とそれぞれ面会した。林市長は来年同市で開催する台中フローラ世界博覧会(台中花博)をPRし、双方の関係の深化に期待を寄せた。 

台中市内には、金沢出身の磯田謙雄技師が日本統治時代に設計した水路「白冷圳」があり、両市はこれを縁に交流を進めている。両市議会は9日、友好交流協定を締結。林市長は友情の深化における重要なマイルストーンだと語った。黒沢議長は、産業や経済、文化、スポーツなど各分野で交流を強化し、議会の定期的な相互訪問を通じて友好関係を深化できればと期待を寄せた。

大分県との間では、温泉観光を基礎に、自転車交流を推進している台中市。今年9月には林陵三副市長が大分県を訪れ、サイクリングロードを走ったほか、台中市政府が先月開催した自転車で台湾一周をするイベントには、大分県職員も参加した。また、昨年9月から1年余りにわたって、両県市を結ぶ定期チャーター便も運航された。 

林市長は、チャーター便の継続を共同で協議することに意欲を示し、花博や大分の豊富な文化、物産のPRに利益をもたらすはずだと語った。 

大分県は9日から11日にかけて、県産食品の商談会や市場視察、県産品や観光をPRするレセプションなどを台北と台中で行う。