相互協力に関する基本合意書を締結したファーマインドの堀内達生社長(中)と台湾国際農業開発の陳郁然董事長(右)、聯合報の報道より

社名の「ファーマインド」とは、産地と生産者の想いを食卓にお届けする意味も込めて、Farm(農場)とMind(想い)をあわせて名づけたものだそうで、2015年7月1日、フレッシュMDホールディングス、フレッシュシステム、フレッシュリミックス、アインバンドホールディングスの4社が合併し、ファーマインドに商号を変更、青果物・生花の輸出入、加工及び販売などを手掛けているという。

このファーマインドと台湾国際農業開発が10月13日、青果物の輸出入における相互協力に関する基本合意書を締結した。

台湾国際農業開発(Mitagri Co., Ltd.)は、台湾の農産品や農業資材の輸出などを担うため農業委員会(日本の農林水産省に相当)によって2016年12月5日に設立された農業公社だという。

董事長には、ニュージーランドのゼスプリ・インターナショナル社でグローバル・セールス&マーケティング・プレジデントを務めた陳郁然氏が就任、陳氏は就任にあたって「ライチ、バナナ、インドナツメ、パイナップル、アテモヤ(パイナップルシャカトウ)、グアバなどの果物を輸出強化の対象とする。中でもバナナは最重要項目となる」(2016年12月6日「 Taiwan Today」)と表明していた。

ファーマインドのニュースリリースによれば「5年以内に輸出、輸入それぞれで100億円規模の取引への拡大を目指していく方針」だとし、まず台湾側から「最重要項目のバナナ」がコンテナ1個分(約6トン)出荷されるという。心から祝意を表し、中央通信社のニュースを下記にご紹介したい。

農業分野での日台提携は、すでに本年2月13日、日本切花輸出入協会と台湾区花卉(かき)輸出同業公会が姉妹会を締結している。

台湾からは現在、主にコチョウラン(胡蝶蘭)、オンシジューム(文心蘭)、アンスリウム(火鶴)、トルコキキョウ(洋桔梗)などの花卉が日本へ輸出されているというが、台湾のオンシジュームの輸出量は3000万本を超え、このうち日本向けが90%を占めるほどに盛んだという。

花卉から今度は果物。日台間では姉妹都市にはじまり、温泉や鉄道、神社と廟、動物園、博物館などさまざまな分野で網の目のように提携が進んでいる。


台湾の農業公社、日本の青果卸大手と提携 百億円規模の輸出目指す

【中央通信社:2017年10月14日】

政府系企業の台湾国際農業開発(台農発、台北市)は13日、東京都内で、青果卸大手のファーマインド(東京都)と、青果物の輸出入における相互協力に関する基本合意書を締結した。5年以内に輸出・輸入それぞれ100億円規模の取引額達成を目指す。まずは台湾側から、コンテナ1個分(約6トン)のバナナが出荷されるという。

台農発は行政院(内閣)農業委員会の主導により昨年12月に設立され、台湾の農業活性化と海外市場拡大などを目標に掲げている。

今回の提携では、青果専用のコールドチェーンを展開し、日本に14カ所の物流拠点を持つファーマインドがインフラや流通ノウハウを提供して台農発の日本市場開拓を支援、政府の後ろ盾を持つ台農発は日本産青果物の台湾輸入を全面的にサポートするなどの協力体制を整える。

台農発の陳郁然董事長(会長)は、ファーマインドの協力を得て、台湾産農産物の品質がより向上することに期待を示した。また、台湾と日本の緯度の相違による生産期のギャップにも触れ、農産物の相互供給によって日本市場のニーズを満たすことができればと、今後の業務提携に意欲を示した。