台南警察での取り調べを終え、台北に戻る李容疑者(後)と邱容疑者(前)。台湾の報道より

烏山頭ダムのほとりにある八田與一の銅像の首が何者かに切断された事件につき、本日午後、元台北市議会議員で現在は急進的統一派の中華統一促進党に所属する李承龍がFacebook上で自身の犯行を仄めかしたうえで台北市内の警察にタクシーで出頭した。共犯とされる邱晉芛も出頭した。

台南市警察は二人の身柄を台南に移して取り調べを行った。二人は「八田與一の歴史的評価が許せない」などと動機を話しているという。二人は本日夜、釈放されて台湾新幹線で台北に戻ったが、当局から外出などに制限を設けられている。

李承龍容疑者は元台北市議会議員。1994年に急進的統一派政党の「新党」から出馬し一期を務めた。任期中に議場で他の議員を殴打して起訴されている。その後、中華統一促進党に加入。中華統一促進党は、台湾と中国の統一を主張し、尖閣諸島問題などについても過激な抗議運動を行っていることで悪名高い過激集団。李容疑者は、昨年夏にも、カルト的独立派団体の「台湾民政府」本部(桃園市)に放火した罪で逮捕され、現在は保釈中の札付きであった。

一時釈放された李容疑者は待ち構えたメディアに「どのくらい前から計画していたのか」と問われ「もう何年もだ!」と答えた。また、動機については「やるべきことをやったまで」とし、銅像の頭部については「台湾にある」とだけ答えている。ただ、頭部は現在も見つかっていない。