起業支援交流の覚書を締結して握手する両市長

2月8日、福岡市の高島宗一郎(たかしま・そういちろう)市長と台北市の柯文哲市長は台北市産業発展局において、双方の起業支援のため人材や技術を提供することで交流を図ろうという趣旨の覚書を締結した。

これまで日台の自治体同士の都市間提携では、横浜市と台北市が「防災分野での協力覚書」を締結(2016年1月28日)するなど、防災や観光、青少年の相互交流に特化した協定や覚書が結ばれているが、起業支援をテーマとした覚書締結は恐らく初めてのことだ。

福岡県では2007年あたりから日台企業の提携を強化しようという動きがあり、台湾での事業ビジネスの可能性をご紹介する台湾投資セミナーなども開かれてきているが、それが台北市との覚書締結により自治体が積極的に支援することが明確になった。心から祝意を表したい。

中央通信社が伝えているので、その記事を下記に紹介するとともに、台北市政府もその日のうちに7枚の写真とともに覚書締結の詳細を「市府新聞稿」で伝えているので併せてご紹介したい。

◆北市與日本福岡市簽署「創新創業國際交流合作備忘録」 柯文哲:讓兩市成為亞洲地區創新創投的領導者【2017/2/8】


台北市、福岡市と覚書 起業支援で協力へ

【中央通信社:2017年2月8日】

台北市政府は8日、福岡市と起業面での国際交流に関する覚書を締結した。柯文哲台北市長は、相互に起業支援の資源を提供し、人材や技術の交流を進めていきたいと期待を示した。

記者会見は台北市産業発展局で行われ、柯市長と高島宗一郎福岡市長が調印した。

台北市は若者の起業支援に力を入れており、支援オフィスを開設しているほか、起業家を対象とした育成センターや共同作業スペースなどを提供している。福岡市も起業が盛んで、昨年には福岡市に招聘する台湾の起業チームを選出するコンテストを台北で実施。高島市長によると、9社に日本の大手デパートなどとのマッチングの機会を提供したという。

柯市長は、今後は奨励や補助金、コンサルティングのサービスを相互に提供し、双方の起業チームが相手側の育成機関で学習できるようになると述べた。産業発展局は、覚書を基に、両市が共同で海外市場を切り開いていければと意欲をみせている。

柯市長は、高島市長率いる訪問団を台北イノベーションセンター(台北創新中心)や今年末に完成予定の台北デジタル産業園区に案内すると語った。