20160915-01敗戦により日本に引き揚げてきた、湾生と呼ばれる戦前に台湾で生まれ育った日本人たちの姿を追ったドキュメンタリー映画「湾生回家(わんせい かいか)」は、昨秋、台湾で公開されて大ヒットし、李登輝総統も推奨されている。

現在、東京都内で試写会が行われているが、11月12日に岩波ホールで日本公開されるのに先立って、このほど予告編が公開された。

この映画には、本会会員で群馬県支部副支部長の清水一也氏や本会ともご縁の深い中村信子さんなども出演し、「湾生」と言われる日本人の心情を丁寧に描いたドキュメンタリー映画だ。湾生の方々の台湾観と、戦後に生まれた湾生の子供たちの台湾観も垣間見ることができる。

岩波ホールの他にも、神奈川、名古屋、大阪、京都、福井、徳島など全国で上映される。そこで、本会でもチケットを取り扱う。

当日一般は1,800円、シニア・学生は1,500円。本会で取り扱うのは1,500円の特別鑑賞券で、1,500円のところをさらに割引してご案内の予定で、10月初旬に発行する機関誌「日台共栄」10月号で、その要項をお知らせします。

ちなみに、映画「湾生回家」は9月15日から福岡アジア美術館のあじびホールで開かれる「台湾映画祭2016」において16日と18日の両日に上映されるが、残念ながらすでにチケットの取扱は終了している。

下記に「シネマトゥデイ」の記事をご紹介したい。

◆映画『湾生回家』予告編

◆映画「湾生回家」オフィシャルサイト


「湾生」たちの望郷の思いに台湾全土が涙した感動作

【シネマトゥデイ:2016年9月12日】

台湾全土で16万人もの人々が涙したドキュメンタリー映画『湾生回家』の予告編が公開され、「湾生」と呼ばれる、戦前の台湾で生まれ育った日本人の望郷の思いや、それぞれの生きざまを捉えた映像の一部が明らかになった。

本作は、日本統治下時代の台湾で生まれたものの敗戦により日本に引き揚げることとなった日本人たちの姿を追ったドキュメンタリー映画。当時およそ20万人いたといわれる湾生たちのうち6人に焦点を絞り、忘れることのできなかった故郷台湾への彼らの里帰りが記録されている。

下関条約が締結された1895年から1945年までの50年間、日本に統治されていた台湾。今回公開された予告編では6人の湾生たちが台湾へのそれぞれの思いを語っているほか、その時代の台湾で経験した現代人には想像もできないような苦労、特殊な生い立ちを持つがゆえに抱えてしまった悩みなどをカメラに向かって明かしている。また台湾を去った湾生と、台湾に残った湾生もそれぞれ紹介され、約70年前の歴史の転換に巻き込まれた人々の人生が映し出されている。

台湾では昨年10月に公開され、11週上映という実録映画としては異例のロングランヒットを記録して“懐日ブーム”を巻き起こした同作。3月に行われた第11回大阪アジアン映画祭のオープニング作品として上映された際には、メガホンを取ったホァン・ミンチェン監督が、「この映画によって日本と台湾がもっと温かい関係になることを祈っています」とコメントしていた。