千葉県の森田健作知事は8月9日、桃園市政府に鄭文燦市長を訪問、観光、教育、経済、貿易など多岐にわたる分野で交流活動を進めることで、双方の繁栄と発展を目指す「友好交流協定」を締結した。

本会調査によれば、これで日台間の都市間協定は51件目となる。心から祝意を表するとともに、下記に中央通信社の記事をご紹介したい。

森田知事は台湾との交流の当初から、修学旅行(教育旅行)などを通じた青少年交流に力を入れたいと抱負を述べているが、鄭市長もほぼ同じ考え方のようで、産経新聞のインタビューに「まずは青少年、学生の文化交流などで親交を深めたい。物産展や、千葉への旅行キャンペーンも展開したい」と述べ、トップ同士の考え方はよく似ている。

また、この産経新聞のインタビューでは、千葉県食品の輸入を禁止している事態についても言及し「調査機関で科学的に調べ、放射能汚染がないことが分かれば規制は解除すべきだ。台湾の中央政府にこういった意見は進言していきたい」と、千葉県を援護する見解を表明している。

ちなみに、友好交流協定の調印式には沼田幹夫・交流協会台北事務所代表や邱義仁・亜東関係協会会長も出席して祝意を表している。桃園市の市政新聞が写真7枚を添えて、調印式の模様を詳しく報じている。

◆桃園市市政新聞【8月9日】


桃園市長、森田千葉県知事と会談 交流促進の協定に調印

【中央通信社:2016年8月10日】

桃園市HPより

桃園市の鄭文燦市長は9日、同市政府で森田健作・千葉県知事と会談し、観光、教育、経済、貿易などにおける交流促進を確認するための協定を締結した。鄭市長は、協定が友好関係の始まりとなり、両県・市が日台友好の象徴になれればと期待を示した。

ともに国際空港を擁する両者。鄭市長は昨年9月に千葉県を訪問。千葉県も今年2~3月に桃園市で開催された「台湾ランタンフェスティバル」に特製ランタンを出展するほか、同県成田市の「仲之町の山車」を初めて海外で披露するなどし、両者は交流を深めていた。

鄭市長は野球や青少年交流、職員の相互訪問などを進めていきたい考えを示した。桃園を拠点とする台湾プロ野球チーム、ラミゴモンキーズと千葉ロッテマリーンズは2014年から交流試合を行うなど、親交がある。

また、鄭市長は千葉県のナシや落花生など農産物の品質の高さを称賛。デパートで千葉の物産展を行う計画を明かし、同県産農産物の輸入解禁の可否を検討するよう中央政府に求めていくと述べた。

森田知事は子供の頃の主治医が台湾出身者で、父親から台湾人と友好関係を保つよう教えられていたことに触れ、知事として、日台間の交流の促進に積極的に取り組んでいく姿勢を見せた。

鄭市長は今年9月にも千葉県を再訪し、交流をさらに深める予定。