会見する台湾独立建国聯盟の羅福全氏(中央)や陳南天主席(右二)ら(自由時報の報道より)

5月20日の蔡英文政権発足を間近に控え、台湾独立建国聯盟は記者会見を開き、蔡英文・新総統に対し、過去の総統就任演説のように対中政策について強調する必要はなく、台湾の民意に沿った内容にしてほしいなどと訴えた。下記に自由時報が報じた内容の一部を翻訳してご紹介したい。

台湾独立建国聯盟は昨日(9日)、「台湾が独立に向かっている現状を維持せよ」と題した記者会見を開いた。

台湾安保協会名誉理事長を務める羅福全・元駐日代表は、蔡英文・新総統の就任式典演説について次のように主張した。

就任演説は台湾の人々や中国政府に聴かせるためだけのものではなく、全世界が注目しているだ。蔡総統は「92年コンセンサス」について言及する必要はない。「92年コンセンサス」は実際には存在しない歴史上の虚構であって、蔡総統はむしろ台湾人の立場を説明するべきだ。これまでいくつもの民意調査結果が示してきたように、今や7割以上の台湾人が「台湾は中国の一部分ではない」と認識しており、台湾は台湾人のものであると考えている。

また、就任演説においては、経済政策である「南進政策」ばかりを話すのではなく、より重要なことは、台湾を国際社会にアピールすることだ。国際社会はもはや台湾がひとつの民主国家であり、中国の一部分ではないことを認識している。蔡総統は、就任演説のなかで「台湾は世界へと踏み出し、国際社会に貢献したい」とアピールするべきだ。

また、陳南天・台湾独立建国聯盟主席も、中国政府や馬英九総統は、蔡英文・新総統に対して圧力をかけ続け、台湾が引き続き「親中、中国依存、中国べったり」路線を採るように仕向けている。しかし、大多数の台湾人はもはや自分が中国人ではなく台湾人だと認識している。今こそまさに「ひとつの中国」という枠組みから抜け出すチャンスだ、などと主張した。