1911年(明治44年)に建築され、100年以上の歴史を誇る日本時代の台中市役所が、このほど2年にわたる改修工事を終え、カフェとして「第二の人生」をスタートさせた。建物は2002年に台中市の歴史的建築物に指定されている。

旧台中市役所は隣接する旧台中州庁とともに、日本時代の威容を今に伝える瀟洒な建物。バロック様式で「辰野式」の外観を有す建物は、台湾中部では初めての鉄筋コンクリート造りとして1911年に落成。

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カフェとして生まれ変わった台中市役所。丸いドームが印象的だ

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日本時代の絵葉書(国家図書館の資料庫より)

当初は台中庁公共埤圳連合会事務所として使われ、1920年に台中州管轄下の台中市役所となった。戦後、台中市政府の機能は隣接する旧台中州庁の建物に移り、建物自体は日本人が残した資産を整理・管理する委員会や二二八事件処理委員会の台中事務所として使われていた。

その後、国民党の台中支部や市政資料館などとして使われていたが、近年は921地震や老朽化によって損壊を受けるなどしており、台中市政府は予算約6,100万元を投じ、2度にわたって修復作業を行っていた。

台中市政府は民間業者に営業を委託。2月27日にカフェとしてオープンしている。