近年、それも2013年以降、日本と台湾の間で姉妹駅など鉄道関係の提携が相次いでいる。その提携は下記のとおりだ。今年9月の長良川鉄道と内湾線が姉妹鉄道協定まで13件あるが、2013年以降は実に12件もある。

このような中、北海道帯広市の「幸福駅」と台湾新竹市の「合興駅」の姉妹駅構想が持ち上がり、地元紙の「十勝毎日新聞」が報じている。

北海道新聞も報じていて、合興駅について「台湾の国鉄に当たる台湾鉄路管理局内湾線の無人駅。1960年ごろに男子高校生が、思いを寄せる女子高校生の乗った列車を同駅から走って追いかけたという話が有名になり、愛情駅と呼ばれるようになった」と伝えている。

なお、十勝毎日新聞は、帯広市は姉妹駅提携の調査費として100万円を補助する方針を固めたものの慎重姿勢を崩していないとも伝える。その背景に「日本と台湾に国交がない上、中国・朝陽市と国際友好都市の関係にあること」を上げている。

産経新聞が本会の調査資料などを基に11月7日、日台の姉妹提携について「台湾との友好都市急増」と題して報じた際、中国の妨害についても伝えていた。

確かに「18年に台南市と交流促進協定を結んだ仙台市では検討中の17年秋、現駐日中国大使の程永華駐日公使(当時)が梅原克彦市長(同)に『締結は慎重に考えてほしい』と要請。15年に新竹市と提携した岡山市の萩原誠司市長(同)にも、事前に駐日中国大使館員が反対を表明していた」と紹介。

しかし、群馬県の例を挙げて「群馬県は平成24年末からわずか3カ月間で3自治体と提携する力の入れようで、県は動機について『温泉文化に理解を示す台湾観光客を取り込みたかった。中国の妨害はなかった』としている。結果、26年の県内外国人宿泊者10万人のうち台湾から5万人を呼び込む成果を上げた」と報じている。

このように、安倍政権の外交政策が奏功していることもあり、また頻繁に姉妹都市や鉄道関係などの提携などが結ばれていることで、近年は中国の妨害工作はほとんど聞かれなくなっている。

それを象徴しているのが李登輝総統のご来日である。外務省関係者は、昨年と今年のご来日に際し中国政府からの圧力はあったものの「形式的なものだった」と明かしている。なにより「李登輝先生の講演を実現する国会議員の会」の発起人に現役閣僚2人が入っていたことに安倍政権の姿勢が反映されているし、主要メンバーが「中国の圧力など関係ない」と明言していたことは現在の日中関係を雄弁に物語っていると言えよう。

すでに中国の圧力に怯える時代は過去のものになったと言ってよい。産経新聞が取り上げた仙台市市長だった梅原克彦氏は本会常務理事、岡山市市長だった萩原誠司氏は本会理事。帯広市(米沢則寿市長)には、必要とあらば中国の妨害を克服して台湾との姉妹都市を結んだこの2人をいつでもご紹介したい。

◆日台姉妹鉄道一覧

1)1986年01月25日 大井川鐵道と阿里山森林鉄道が姉妹鉄道提携
2)2013年04月20日 黒部峡谷鉄道と阿里山森林鉄道が姉妹提携
3)2013年04月23日 江ノ電と平渓線が観光連携協定
4)2013年10月13日 JR四国の松山駅と台湾鉄道の松山駅が姉妹駅提携
5)2014年04月30日 秋田の鳥海山ろく線(由利高原鉄道)と平渓線が姉妹鉄道協定
6)2014年10月28日 千葉のいすみ線と集集線(台湾鉄道)が姉妹鉄道協定
7)2014年12月22日 山陽電鉄と宜蘭線(台湾鉄道)が姉妹鉄道協定
8)2014年12月22日 山陽電鉄の亀山駅と宜蘭線(台湾鉄道)の亀山駅が姉妹駅提携
9)2015年02月12日 東京駅と新竹駅が姉妹駅提携
10)2015年02月26日 京浜急行電鉄と台湾鉄路管理局が友好鉄道協定を締結
11)2015年03月14日 西武ホールディングスと台湾鉄路管理局が友好協定を締結
12)2015年03月14日 西武鉄道が台湾鉄路管理局と姉妹鉄道協定を締結
13)2015年09月04日 長良川鉄道と内湾線が姉妹鉄道協定を締結