NHKが平成21年(2009年)4月5日に放映した「NHKスペシャル シリーズ JAPANデビュー 第一回 アジアの“一等国”」をめぐる裁判で、一昨年(2013年)11月28日、東京高裁の須藤典明(すどう・のりあき)裁判長は「その名誉を侵害したものであり、不法行為を構成する」として、一審判決をくつがえし、NHKによる高許月妹さん(控訴人)への名誉棄損を認める画期的な判決を下しました。

その後、NHKは最高裁に上告。最高裁は憲法に抵触するかどうかだけを審理し、多くは判決を下すのみで、通常は口頭弁論を開かないと言われています。

ところが、異例なことに、来る11月26日午後3時から、第1小法廷において口頭弁論を行うことになりました。日本文化チャンネル桜の掲示板は「高裁判決と異なる見解を、後日の判決で最高裁が示す可能性もあり、本訴訟は重大な局面を迎えました」と記しています。下記にご紹介します。

ちなみに、最高裁の第1小法廷の傍聴席は48席。午後2時10分くらいから「南門」において整理券を配り、3時から口頭弁論が開かれます。

ここに、改めて高許月妹さんへの名誉棄損を認めた東京高裁の判決要旨をご紹介します。

≪本件番組を制作した島田らは……一部の学者が唱えている『人間動物園』という言葉に飛びつき、その評価も定まっていないのに、その人種差別的な意味合いに全く配慮することもなく、これを本件番組の大前提として採用し……日英博覧会に志と誇りを持って出向いたパイワン族の人たちを侮辱しただけではなく、好意で取材に応じた控訴人高許月妹を困惑させて、本来の気持ちと違う言葉を引き出し、『人間動物園』と一体のものとしてそれを放送して……侮辱するとともに……社会的評価を傷つけたことは明らかであるから、その名誉を侵害したものであり、不法行為を構成するものというべきである。≫

須藤裁判長はまた、「人間動物園」という言葉は「人種差別的な意味合いを感じさせ」「嫌悪感すら感じる言葉」で、「人間動物園」と「見せ物」とが同義であるなどということは到底ありえないとも指摘。なぜなら、歌舞伎も見せ物の一つだが、「人間動物園」と表現することはできないことからも明らかと、明快に説明していました。

◇    ◇    ◇

最高裁判所 第1小法廷
 〒102-8651 東京都千代田区隼町4番2号
 TEL:03-3264-8111(代表)
 【交通】地下鉄半蔵門線・有楽町線・南北線:永田町駅 4番・2番出口 南門まで徒歩約5分

*午後2時10分くらいから「南門」において整理券(48席)を配布します。

◆【報告会】 全国町村会館 2階 第2会議室
 〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-35
 TEL:03-3581-0471(代表)
 【交通】地下鉄有楽町線・半蔵門線・南北線:永田町駅 3番出口 徒歩1分


NHK一万人・集団訴訟 のご案内─最高裁第1回口頭弁論のお知らせ

【日本文化チャンネル桜:2015年11月23日】

NHKの上告により、来たる 11月26日(木)に 最高裁判所にて第1回口頭弁論が行われることとなりました。

メディアとしての姿勢を厳しく糺す画期的な判決が下された高裁判決と異なる見解を、後日の判決で最高裁が示す可能性もあり、本訴訟は重大な局面を迎えました。

今回の第1回口頭弁論も傍聴席には限りがありますが、開廷前の街頭演説及び閉廷後の報告会と併せ、ぜひとも多くの皆様のご参集をお願いいたします!

◆最高裁 第1回口頭弁論
11月26日(木) 15時00分 最高裁判所 第1小法廷

※ 開廷前14時より、最高裁前にて街頭演説を行います。

※ 傍聴するための傍聴券には限りがありますので、早めに交付所へお並びください。

※ 閉廷後、全国町村会館第2会議室(裁判所から徒歩5分)にて報告会を開催いたします。傍聴券が外れた方は、こちらで待機いただけます。