日本政府は本日(4月29日)付で平成26年春の叙勲受章者4104人を発表、台湾からは「台湾歌壇」第5代代表で本会カウンターパートの李登輝民主協会名誉理事長の蔡焜燦先生をはじめ4人が受章されました。おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。台湾からの受章者は下記の通りです。

・廖一久 旭日中綬章(中央研究院院士)77歳
・呉金璞 旭日小綬章(元国際剣道連盟副会長)90歳
・蔡焜燦 旭日双光章(台湾歌壇代表)87歳
・鄭正秀 旭日双光章(兵庫県肢体不自由児者協会理事長)70歳

台湾の中央通信社の報道によれば、日本と台湾間の水産技術分野を通じた学術交流の促進に寄与した廖一久氏(77)は、旭日中綬章を受章。1960年に台湾大学動物学部漁業生物学科を卒業後、東京大学農学部水産学科に留学し、エビ類の養殖技術の研究に従事。その後台湾に戻り、ブラックタイガーの完全養殖技術を確立したほか、同技術の普及や指導などにも取り組んだ。廖氏の弟は台湾の対日窓口機関、亜東関係協会前会長の廖了以氏。

台湾における剣道の普及などに寄与した呉金璞氏(90)は旭日小綬章に選ばれた。日本統治時代、12歳から剣道を始め、戦後の国際社会人剣道世界大会では第1回から第7回まで台湾代表として連続出場。1967年の第3回大会では個人の部で準優勝を果たしたほか、第5回大会では団体の部で優勝に輝いている。

20140429台湾における短歌を通じた日本文化の紹介に尽力した蔡焜燦氏(87)と日本の肢体不自由児者福祉の向上に寄与した鄭正秀氏(70)は旭日双光章をそれぞれ受章。蔡氏は1967年に設立された短歌の会「台湾歌壇」の第5代代表として活躍。2000年に出版された著書「台湾人と日本精神」でも日台間の相互理解の促進に貢献した。

一方の鄭氏は神戸大学医学部を卒業後、29歳の時に神戸博愛病院の院長に就任。兵庫県肢体不自由児協会の理事と会長を歴任したのち、兵庫県肢体不自由児者協会の理事長として障害者の環境改善や障害者に対する理解の促進に寄与した。また、西日本に在住する華僑の代表として、日台友好のための活動にも積極的に取り組んでいる。

1972年の交流協会設立後、台湾人に対する叙勲は2005年以降で30人にのぼる。今年春の外国人叙勲では55人が選ばれた。交流協会では日を改めて受章者への勲章伝達式を行う予定、とのこと。

また、産経新聞朝刊は「きょうの人」欄で蔡先生を取り上げ「蔡焜燦さん 旭日双光章に輝いた台湾歌壇代表─司馬遼太郎ガイド役『愛日家・老台北』」と題し、蔡先生の晴れやかな笑顔の写真を掲載し、「台湾で短歌を通じた日本文化を紹介し続け、対日理解の促進に寄与した」という受章理由を紹介するとともに、自らを「愛日家」と称していることや、「日本人を会食に招く機会も多く、若い日本人には短歌、俳句をはじめ日本文化、歴史に関する博覧強記ぶりを披露してやりこめた後、『食事の礼として、君は祖国を愛しなさいと語る』など、その人となりを紹介しています。

蔡先生は本会の日本李登輝学校台湾研修団(略称:李登輝学校研修団)の講師をつとめていただいたり、本会の台湾側カウンターパートである李登輝民主協会理事長の大任を長らく務められ、つい先日、名誉理事長に退かれたばかりです。

なお、台湾の4人は平成24(2014)年秋の叙勲以来で、ドイツ(6人)、米国(6人)に次ぐ3番目です。インドネシア(3人)や韓国(3人)より多く、親日台湾を印象づける受章となりました。

ちなみに、平成24(2014)年秋の叙勲では、蔡先生の前任者の鄭[土良]耀先生が元台湾歌壇代表として旭日双光章を受章されています。

今年の春の叙勲では、2005年7月から3年間、交流協会台北事務所代表をつとめられた池田維(いけだ・ただし)氏が元駐ブラジル大使として瑞宝重光章を受章され、台湾へ日本の新幹線技術を輸出した責任者とも言える葛西敬之・JR東海名誉会長が旭日大綬章を受章されるなど、台湾に縁の深い方々の受章が目立ちました。