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骨太の梁を背に挨拶する蔡焜燦氏

阪神大震災と台湾の921大震災の被災者交流が契機となり、日本から台湾へ寄贈された作家・水上勉氏ゆかりの古民家移築事業がこのほど完成し、24日午前、台北郊外の淡水で開幕式が行われた。

開幕式には日本から移築事業に携わった20名以上が出席。台湾側からは李登輝元総統の名代として蔡焜燦・李登輝民主協会理事長、周錫瑋県長や地元淡水の蔡葉偉鎮長、ボランティアとして移築を手伝った淡江大学建築学科の学生らが多数詰め掛けた。

この古民家は大正4年(1915年)、作家の水上勉氏で大工の棟梁だった父親が自ら建てたもの。日本時代、台湾初めてのゴルフ場として開業した老淡水ゴルフ場に隣接する淡水鎮平和公園の中に移築された古民家は「一滴水紀念館」と名付けられ、水上勉氏や神戸と縁の深い作家・陳舜臣氏の文庫が作られる予定。

また、周囲には日本庭園が作られることになっている。蔡焜燦氏からは、日本から河津桜を庭園に寄贈するとの発言も飛び出し、本会としても協力を惜しまない。実現すればまた一つ日台交流の花見拠点が増えることになり楽しみだ