「台湾を中国領のように表記」 日台交流団体が教科書訂正要望

台湾が中国領のように表記されている中学社会の地図帳は問題だとして、日台交流を進める民間団体「日本李登輝友の会」(小田村四郎会長)は21日、今年の教科書検定で表記を改めさせるように求める要望書を文部科学省に提出した。

地図帳は帝国書院と東京書籍が発行しており、いずれも台湾については、中国との間に国境線を引かないなど、中国領のように受け取れる表記になっている。

平成17年に文科省の検定を受けているが、要望書では「台湾を中華人民共和国の領土と表記することは日本政府の見解に悖る」とし、今年改めて行われる検定で訂正させるように求めている。

台湾は、日本が昭和27年のサンフランシスコ平和条約で領有権を放棄。中国政府も領有権を主張してきたが、日本側は日中共同声明でも「中国政府の立場を十分理解し、尊重」と表明するにとどめ、「承認」はしなかった。

地図帳について、文科省は「外務省の編集協力した資料に基づいて検定した」と説明。外務省は「国境線を入れれば、日本側が台湾の領有権について意見を示すことになる。日本は同条約で『台湾に対するすべての権利を放棄する』としており、意見を言う資格がない」としている。