政府が今国会に提出した在留外国人行政を一元化する出入国管理法改正案が、在留台湾人から熱い視線をあびている。台湾人に国籍欄に「中国」との表記を強いてきた現行の外国人登録証に代わり、平成24年に導入される「在留カード」では「台湾」表記が認められるためだ。ただ、中国政府の反発も予想され、与野党の対応が問われそうだ。

現行入管法は、外国人登録を市町村に委託してきたが、改正案では法務省入国管理局に一元化する。外国人登録証は廃止され、代わりに入国管理局が在留3カ月を超える外国人に対し、氏名、生年月日、性別、国籍、住所、在留資格、在留期限を記載した「在留カード」を発行する。

政府は住民基本台帳法改正案も国会に提出しており、在留外国人が市町村で住民登録ができ、在留カードと連携させることで、外国人の子弟の就学や健康保険加入など行政サービスの充実につなげたい考えだ。

在留カードは国籍欄を改め、「国籍または日本政府が認める旅券を発行している地域」を記載する欄に変え、台湾人は「台湾」と表記できるようになる。

日本政府は昭和47年の日中国交正常化以後、台湾を国として承認せず、「政令で定める地域の権限のある機関の発行した文書」として、台湾政府とパレスチナ自治区発行の旅券を認めてきた。パレスチナは平成19年に外国人登録証の「パレスチナ」表記を認めたが、台湾だけは「中国」表記のままだった。

法務省や台北駐日経済文化代表処などによると、「中国」籍で外国人登録をしている人は19年末で約60万人だが、うち約4万2000人は台湾人だといわれる。在留台湾人の団体はかねて「台湾」籍表記を要望。台湾政府も陳水扁政権下の13年7月、日本側に改善を要望したとされる。李登輝元総統も15年の訪日時に、改正を求めるコメントを発表している。

産経新聞報道より