馮寄台・台北駐日経済代表処代表は9月27日、成田空港到着時に畠中篤・交流協会理事長、駐日代表処関係者および日本在住華僑らによる熱烈な歓迎を受けるなか、駐日代表着任の挨拶を発表した。以下はその着任挨拶の全文である(台北駐日経済文化代表処HPより)。


私は政府から中華民国の駐日代表として任命され、内心では戦々恐々としているのですが、全力で取り組んでまいります。事実、私にとって日本はまったく知らない土地ではありません。私の父は中華民国の元駐日外交官であり、その関係で私は幼い頃に港区の小学校と渋谷の近くの中学校に通いました。私は日本で学び、野球に打ち込んでいたあの頃が非常に懐かしく、小さかった頃の日本での生活の情景が今も目に浮かんできます。今後、時間を見つけて思い出の地を再訪し、昔のことを振り返ってみたいと考えています。

私は外交部に25年間務め、長く米国や中南米の国々に派遣されていたので、英語やスペイン語を用いることが多く、日本語を忘れかけていましたが、いま必死に復習をはじめ日本語を思い出しているところです。

50年前の私の幼い頃に見た日本と現在の日本は大きく違います。日本はすでに国際的に重要な位置を占める経済大国となりました。日本は中華民国にとって第2番目の貿易パートナーであり、馬英九総統は日本との関係を非常に重視しています。両国間は歴史的に見ても、地縁関係から言っても、密接不可分の関係であり、歴代駐日代表の努力および華僑界の先輩方の協力の下、台日間はすでにきわめて固い友好の基礎が構築されています。

中華民国と日本は、民主主義、自由の国家という共通の価値観を持っています。それ以外にも、日本が過去に台湾で建設を行った施設があり、例えば八田與一技師が設計した烏山頭ダムと嘉南大圳は、今も台湾南部の農民に恩恵をもたらしていることから、多くの台湾の人々が日本に対して「親近感」を持っています。私は日本に赴任する前に、日本交流協会の斎藤正樹・駐台代表と共に烏山頭ダムと嘉南大☆を訪れ、八田與一氏の貢献に深く敬服しました。

今後、私は両国の架け橋となって、両国間の相互信頼体制の構築と各方面の交流を拡大し、特に青少年の交流を進めることで、両国の厚い伝統的友情の根をさらに深くし、両国の協力がさらに密接になるよう努力してまいります。

最後に、メディアの皆様方および華僑界の先輩方が引き続き、私および駐日代表処に対してご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。