200809149月14日、本会は東京・千代田区の九段会館「鳳凰の間」においてシンポジウム「どうなる日台関係!」を開催した。約300名が参加し、遠くは秋田、新潟、福井、岡山、兵庫などからも駆けつけた。最後まで登壇者の発言を清聴する姿が印象的だった。

メディアの関心も高く、日本側は読売、朝日、産経、東京などの新聞メディアに加え、月刊「WiLL」や月刊「日本」、政策情報誌「POLICY」などの雑誌メディア、テレビでは日本文化チャンネル桜など。台湾側は中央社、自由時報、中国時報、自由新聞、大紀元時報、台湾新聞、台湾テレビなどが取材に訪れた。
開会の挨拶は石井公一郎副会長が行う予定だったが、都合により急遽出席できなくなり、代わって司会の柚原正敬常務理事が挨拶した。柚原常務理事は、シンポジウムをお互いに大切な関係にある日台間の懸念材料を払拭する機会とし、交流のさらなる発展を期して開いたと趣旨を述べてシンポジウムは始まった。

基調講演は、「馬英九政権が目指す日台関係とは」と題し、台湾大学政治学部教授で国家安全会議諮問委員の楊永明氏。

楊氏は、馬英九総統がいかに対日関係を重視しているかを日本訪問時のエピソードなどを紹介して強調、尖閣問題については平和的、法理的に解決すべきと述べた。日台関係の強化措置として、7月31日に外交部・経済部・交通部など主要閣僚が出席する「台日関係報告会議」を設置、馬英九総統に会議の結果を具体的な対日政策として報告し、関係省庁が政策として実施していくと述べた。この会議は今後2ヵ月に1回開いていくという。

また、中国との関係は経済関係に重点を置いており、依然として中国の軍事力は台湾にとって最大の脅威であり、その関係改善は東アジアの繁栄と安定に有益であるとした。

さらに、注目の日台関係については、日本との関係強化は台湾の最重要課題の一つであり、米英関係や日米関係と同様、その絆は外的要因に影響されないスペシャル・リレーションズ、特別な関係だと述べた。日米台の安全保障がもっとも大切であるとして、日米安保体制への支持を表明した。

引き続き、楊永明氏とパネリストの岡崎久彦、黄文雄、櫻井よしこ、田久保忠衛、林建良の5氏による質疑応答が行われ、コーディネーターは水島総・日本文化チャンネル桜代表が務めた。

この模様の一部は中央社や大紀元時報が記事にしているので、下記にご紹介するが、文字通り充実した質疑応答となった。米国の台湾への武器供与がストップしているのは中国の中止要請によることが明らかにされ、岡崎氏からは信頼関係を醸成するために事前の連絡体制をつくることが提案された。また林建良氏からは、国家公務員の訪台を課長職までしか認めない渡航制限を設けている日本政府に台湾政府が改善を求めるべきとの提言があった。

閉会の挨拶は小田村四郎会長が述べ、盛会裡に終了した。
その後、会場を移して「真珠の間」において懇親会が開かれたが、司会予定だった本会理事の南丘喜八郎・月刊日本主幹が都合により急遽出られなくなったため、桜美林大学非常勤講師の多田恵理事が代って務めた。

澤英武理事による開会の挨拶に続き、来賓として羅坤燦・台北駐日経済文化代表処代表代行、台湾で楊永明氏や馮寄台新代表と懇談してきたばかりの中津川博郷・前衆院議員、都議会民主党に日台議員連盟をつくって会長に就任した名取憲彦都議がそれぞれ挨拶、乾杯の発声は園部逸夫・台湾協会会長が行った。

開宴後は、充実したシンポジウムを反映してそこかしこで歓談が続き、最後に宇都宮鐵彦理事が閉会の挨拶を述べ、そして永山英樹理事による万歳三唱をもって滞りなく終了した。

なお、シンポジウムの内容は、まず日本文化チャンネル桜で放送され、また本会機関誌『日台共栄』や月刊「WiLL」誌にも掲載予定なので、詳しくはそれをご覧いただきたい。DVDも作成予定ですので、完成次第お知らせします。

その他の報道等は本会メールマガジン『日台共栄』第863号をご覧下さい。