20071215著者が台湾問題に取り組んでから10年以上を閲する。その歩みは、台湾の民主化とほぼ軌を一にしている。この間、柚原正敬氏を代表とする「台湾研究フォーラム」を事務局長として設立し、また日台間の交流史を紹介した『台湾と日本・交流秘話』(展転社、1996年)の共同執筆者として、台湾の中学歴史教科書『認識台湾』を盟友の蔡易達氏と共同翻訳した『台湾を知る』(雄山閣出版、2000年)を出版している。

本書は著者の初の単著であり、これまでの言説の集大成でもある区切りの本だ。日本で久しく「中国の一部」と信じられてきた台湾のオリジナリティについて、日本・中国との関係から縦横に論じている。

日本にとって「台湾と提携するか中国に迎合するか」は、その気概を測るバロメーターになっているという指摘に首肯する日本人は少なくないだろう。その点で、「中国政府の台湾領有権の主張がすべてウソで塗り固められている」(P83)、「中国に賞賛される人間にはあまりロクな者がいない」(P237)、「平和主義者(親中派)こそ、中国政府が戦後一貫して対日工作のターゲットとしてきた」(P277)など、全編にわたって出てくる中国の本質を捉えた論及には説得力があり、それは語学留学(山西大学漢語班)を通じて体得した中国経験に裏打ちされている。論破された中国の反応が見物だ。

台湾を「兄弟国」と見ている著者は、最終的に日本は台湾と国交を結ぶべきであり、その上で軍事同盟を結ぶべきで、それができないなら「台湾関係法を制定し、台湾との有事関係を規定しなければならないはずだ」と主張する。日本にとって台湾は生命線であり、まさに日本の命運は台湾にかかっていることを本書は明かしている。中国の言い分を論破したい者、台湾問題に取り組んでいる者にとって必読の一書。

『日本の命運は台湾にあり―軍拡中国がある東アジアで』永山 英樹
まどか出版
ISBN: 4944235380