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昇殿参拝を終え、退出される李登輝前総統

【東京都千代田区九段/靖國神社】李登輝前総統ご夫妻、靖國神社に昇殿参拝

李登輝前総統ご夫妻は、本日10時2分、御兄上が祀られる靖國神社を訪れ、昇殿参拝された。参拝には、孫娘の李坤儀さん、黄昭堂・台湾独立建国連盟主席のほか、作家の三浦朱門・曾野綾子ご夫妻も同行された。

昭和20年(1945年)2月、高雄高射砲部隊に配属されていた李氏と、海軍に志願して高雄左営の海軍基地に初年兵として配属されていた御兄上の岩里武則氏は、高雄の町で二人で会って写真を撮ったのが最後の対面。その後、御兄上はマニラで戦死されており(享年24歳)、62年ぶりの兄弟の対面となった。

一行は到着殿で南部利昭・宮司の出迎えを受け、昇殿参拝。神社側から「祭神之記」(所属部隊や戦死された場所などが記されたもの)などの提供を受け、10時40分過ぎ退出された。

同行した曾野綾子さんは退出後、報道陣に囲まれ、李氏が「兄が戦死したといっても父親は一切信じなかった。亡くなる時まで、兄が生きている証を探し続けた。だから家には位牌も何も無いんだ。兄の証があるのは靖國神社だけなんだ。ずっと慰霊をしてくれた靖國さんには感謝している」と語ったことを明かした。

また、「靖國神社の問題は、常に個人の、家庭の中で考えるべき問題だ。信仰や魂という事柄については、個人がそれぞれの考え方を持っている。だから、くれぐれも政治の力で型通りに割り切りたくない。家族がそれぞれ自由に愛するものの事を考えるのがよい」と語ったことも披露した。

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到着殿に着かれた李登輝ご夫妻

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同行した作家の曾野綾子さんは、退出後に報道陣に囲まれた

20070607-04【東京都港区虎ノ門/ホテルオークラ】李登輝前総統は17時から、ホテルオークラ平安の間において「2007年以後の世界情勢」と題する講演を行った。会場には満員の1500名を超える聴衆が詰め掛けた。講演後、李氏には評論家の大宅映子さんから、曾文恵夫人には東京財団・前会長の日下公人氏から花束が贈られた。

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