明日から3泊4日で、第6回目となる台湾李登輝学校研修団が始まります。今回の団長には小川英子氏(在日台湾婦女会副会長)、副団長には柚原正敬氏(本会常務理事・事務局長)がそれぞれ就任しました。これまで女性が団長に就任された例はなく、初の女性団長の誕生です。

参加者は最終的に31名となりました。いつも通り世代的には20代から80代までと幅広いのですが、今回は20代、30代の参加者が多く、平均年齢も40代半ばとなりました。職業も様々です。地域的にはやはり関東圏からの参加がほとんどですが、北海道、青森、岩手、宮城、愛知、滋賀、京都、大阪、兵庫などからも参加しています。海外ではアメリカからも参加します。

参加動機は、やはり李登輝学校校長でもある李登輝前総統のお話を直接聞いてみたいという方が多いようです。今回の特別講義では、話題になった「壱週刊」インタビューのこともお話しされるそうですので本当に楽しみです。

また、台湾に興味を持ち出してからは、時間がとれれば台湾へ行っている方が少なくなく、行けば行くほど台湾人と台湾が好きになってしまうという方や、中には、台湾に住みたいと考えている方もいます。

今回の野外視察では228記念館や台湾独立を唱導して焼身自決を遂げた鄭南榕烈士の記念館、そして台湾の鉄道史には忘れてならない速水和彦技師がいて、台湾に日本人の銅像が残されている一人ですが、ここも見学します。このようなほとんど観光客が行かないものの、日台交流には見逃してはならない大切な場所を視察するのも、この研修団の特徴の一つです。

講師陣も特徴の一つで、今回は「老台北」こと蔡焜燦先生も初登壇されます。帰国日の3月6日に李登輝校長の特別講義があり、一緒に昼食をいただいてから帰国の途に着きます。では、許世楷大使が研修団参加者のために開いてくださった茶話会の模様を「台湾週報」が掲載していますので、次にご紹介します。


【許世楷駐日代表が李登輝学校研修団と茶話会】

許世楷・台北駐日経済文化代表処駐日代表は2月20日、東京白金台の代表官邸にて、第6回台湾李登輝学校研修団参加者と茶話会を開き、台湾の現状や台日関係について話した。

日本から出発する第6回台湾李登輝学校研修団は、3月3日から4日間の日程で台湾を訪問し、李登輝前総統(李登輝学校校長)による講義のほか、張炎憲・国史館館長や呉密察・台湾大学歴史学部教授による台湾の歴史や文化に関する講義が予定されている。

許駐日代表は、台湾では今年を「台日交流年」と位置づけていることを挙げ、3月のはじめに台湾では元宵節を迎え、今年は嘉義県で台湾ランタンフェスティバルが大々的に開かれることや、台南県塩水の「爆竹祭り」が元宵節の名物となっていることを紹介した。

3月上旬に台湾高鉄(台湾版新幹線)が開通することについて、許駐日代表は「日本統治時代だった約100年前に台湾の南北を結ぶ台湾縦貫鉄道が全線開通しており、いま再び日本の協力を得て台湾に新幹線が開通した」と話し、歴史的意義を強調した。

台湾情勢について許駐日代表は、「台湾では今年12月に立法委員選挙、来年3月に総統選挙が控えており、大きく台湾の政治情勢が変わる」と今後総統候補者公認をめぐって第三勢力の出現など政局が流動化する可能性を指摘した。

李登輝前総統が最近メディアに向けて「中道左派」路線や中国との「双方向経済交流」など積極的に発言し、台湾のメディアから「方向転換」したと報道されていることについては「本質的に変わってはいないと思うが、台湾団結連盟(台連)の新しいイメージを模索しているのではないか」との見方を示した。【2月26日発行 台湾週報より転載】