magazine0149月1日、本会機関誌『日台共栄』9月号(第14号)が発行されました。創刊号からこれまで32ページでしたが、より豊富な台湾情報をお届けすべく、この号から40ページに増ページしています。

今号も盛りだくさんの内容です。主な内容を下記にご紹介いたしますが、本会HPでは一部の記事をこちらからご覧いただけます。

■李登輝
台湾の危機存亡を救う道-正常な国家となるために台湾が解決しなければならない問題

やはり、いの一番に読んでいただきたいのは、李登輝前総統のこの論文です。今年3月に行われた第4回・台湾李登輝學校研修団における特別講義の要録ですが、その日の午前2時ころまで考えに考え抜かれて講義された内容は、まさに眼光紙背に徹する、示唆に富んだ内容です。今の台湾がどのような「危機」に直面しているのか、この「危機」を克服するにはどうしたらよいのかについて縦横無尽に語っています。

■金美齢
日本に期待すること-リーダーとしての役割を担う日本に覚悟を求める

金美齢氏の真骨頂は歯切れのよさ。その上、「日本人は日本に生まれただけで幸せなんです。それだけで、人生の勝負に半分勝ったみたいなもの。それでも負けるのは自分が悪いのです」と、事の本質を鮮やかに切り取って見せます。理不尽な北朝鮮や中国をのさばらせないために、日本人に「NO」と言う覚悟を求め、ではそのためには何をしなければならないのか。「エッ」と驚く答えですが、誰しも「なるほど」と納得します。

■片木裕一
台湾新幹線は本当に「新幹線」なのか-新幹線思想を十全に展開しえなかった「ベストミックス」

10月末、いよいよ日本と台湾の共同事業のシンボルともいえる「台湾新幹線」が開業する予定です。「日本の新幹線が台湾で運行されることはもちろん喜ばしい限りであるが、果たして手放しで喜べるものなのだろうか」と、その問題点を指摘しています。片木氏は台湾新幹線の模型を民間で初めて製作した鉄道ファン。その情報網を駆使したこの論文で、日台の新幹線に対する考え方の違いがよくわかります。

■黄文雄
日台共栄前史(13) スペインの台湾遠征と日本の脅威

スペインは1626年に台湾北部の鶏籠(今の基隆)と淡水を占領して台湾統治を開始していますが、16世紀後半から17世紀にかけての台湾をめぐるスペインの詳しい動向を紹介した日本語文献はほとんどありません。1642年にオランダの攻撃を受けて駐留軍が投降するまでのスペインの動向を紹介しています。

■相沢光哉
台湾と私(14) 無念の魂魄(たましい)に応える

8月1日、本会の宮城県支部が設立されましたが、支部長に就任した嶋津紀夫氏とともに、本会理事で宮城県議会議長の相沢光哉氏もその中心人物として活躍。何度も訪台したなかで、最も忘れられない思い出を書いていただきました。

■柚原正敬
巻頭言:日本政府を縛る『一つの中国』政策

鈴木宗男・衆議院議員が「質問主意書」を頻繁に提出していることはよく知られていますが、その中に台湾に関するものがあることはあまり知られていないようです。鈴木議員は、日本政府が「台湾独立を支持しない」という見解をとるようになった経緯について、日中共同声明からの論理連関について質し、それに対する政府答弁を紹介しつつ、何が原因となっているのかを明らかにしています。