米国を訪問中の李登輝前総統がニューヨークで日本のメディアの取材に応え「来春機会があればふたたび日本を訪れ、『奥の細道』を歩いてみたい」と語ったことについて、許世楷・駐日代表は10月18日、「日本訪問が実現されることを期待している」と述べた。

許代表は同日、台湾のメディアに対し「李前総統のこの発言は新聞で知った。具体的なことはわからないが、李前総統は総統を退いてすでに久しく、米国は通常台湾のハイレベルの政治人物のワシントン訪問を許可していないが、今回の米国訪問にはワシントンも含まれている。このことから李前総統を一般市民とみなしていることは明らかであり、これは正常な考え方であり態度だ」と語った。

そのうえで許代表は「日本も米国と同じように、李前総統に対し自由な日本訪問を認め、台湾の観光客に対するノービザ措置を適用することを期待する」と述べ、李前総統が来春日本を訪れ「奥の細道」を旅する願いが実現されることに期待を示した。

一方、李前総統は10月17日、フィラデルフィアを訪れ、アメリカの独立のシンボルである「自由の鐘」を見学したあと、バスで米国の首都ワシントンに到着した。李前総統がワシントンを訪問するのは今回が初めてで、李大維・駐米大使らの随行のもと向かった宿泊先のホテルでは100人近い台僑が出迎え、歓迎を受けた。

李前総統はこのあとワシントンの国立公文書館を訪れ、米国の独立宣言文のオリジナル版を閲覧したほか、ジェファーソン記念館も見学した。李前総統は20日までワシントンに滞在し、米国の国会議員らと会見するほか、最終日にはナショナル・プレスクラブで「中国が台湾へ武力侵攻した際の米国が果たす安全保護の役割」をテーマに講演する予定となっている。

(台北駐日経済文化代表処・機関誌『台湾週報』より転載)