第3回・日本李登輝学校台湾研修団に先立ち、去る10月18日に開かれた「茶話会」で、許世楷・台北駐日経済文化代表処代表が研修生のために講話をしてくださいました。

今回の団長は石川台湾問題研究所代表で高座日台交流の会事務局長の石川公弘氏(本会理事)、副団長が伊藤英樹氏(第1回参加、司法書士)であることは本会メールマガジン誌上などでご報告しましたが、石川団長がこの茶話会の模様を自身のブログで報告されていますので、許世楷代表の講話の内容はそこからご紹介します。


李登輝学校入学の記

                       石川台湾問題研究所代表 石川公弘

第3回・台湾李登輝学校研修団の初顔合わせを兼ねた「茶話会」が、10月18日(火)午後2時30分から、東京・新宿の文京区民センターで開催された。今回の研修スケジュールは、10月29日から5泊6日、前半は野外研修、後半は座学が中心である。

研修団参加者は総勢約40名、防衛問題の専門家もいれば、台湾語研究の権威もいる。会社役員、地方議員、その他多士済々である。台湾に特別の関心をもつ女性も数人いる。李登輝さんが発表された『台湾の主張』を読んで、ファンになったという人が多い。私は歳のせいか、研修団長にさせられてしまった。

この茶話会には20名が参加し、私が団長として簡単な挨拶をした後、それぞれの人が自己紹介をしていたところへ、許世楷駐日大使が李文化部長を伴って来会され、次の要旨の挨拶をされた。

戦後、長い間独裁政権の下に苦しんでいた台湾は、1990年代になって民主化され、世界の歴史の主流に入ることができた。独裁国家中国は、経済的に発展しているものの、世界の歴史の流れの中では逆流である。日本は1945年以来、世界歴史の主流である民主化の道を歩んでいる。台湾も今、自信をもって民主化の道を歩んでいる。逆流することはありえない。

中国はよく日本のことを「軍国主義化」と非難するが、私はそれを逆に批判している。1945年以来、日本は一度も戦争をしたことはないし、戦争をすると言ったこともない。平和国家に徹している。

他国を軍国主義と非難する中国が、逆に何回も周辺の国と戦争をしている。中でもベトナムを懲罰するとして仕掛けた戦争は、完全に侵略戦争である。台湾に対しても、最近「反国家分裂法」を成立させて恫喝している。

日本はアジアにおいて中国と対抗できる唯一の国である。靖国神社を中国が問題にするのは、外交カードとしてであって、本心は日本を自分たちより優位に立たせたくないのである。

日本の財界人で、中国の言い出している東アジア共同体に、賛意を表す人がいるが、どうかと思う。中国の本心はアメリカ外しであり、日本の孤立化である。そのために、韓国を反米反日にし、更にその輪の中へ台湾を引き込もうとしている。先日、靖国神社へ抗議行動に来た台湾の高金素梅立法委員は、帰国早々、北京へ出向いている。これなども、日本孤立化の一環として彼女が動いている証拠であろう。

親日的な台湾日本語世代も、70代でこれからは段々と数が少なくなる。それに代わるものは、台湾の大学で日本語を学ぶ学生である。台湾では日本語を学ぶ学生が英語に次いで多い。今後の日台友好は、ここを拠点に進めるのがよいと思う。【本会メールマガジン『日台共栄』238号より転載】