筆記具でつくるモニュメント「智恵の門」、20万本まであと5万本不足
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3月25日に開幕した愛知万博に、台湾出身で、ニューヨーク在住の世界的なアーティスト、林世宝氏(43歳)のモニュメント「智恵の門」が展示されることになりました。

この「智恵の門」は、なんと20万本もの使い古しの筆記具を材料として制作されるもので、日本やアメリカ、カナダにおいて昨秋から提供を呼びかけていますが、現在までに15万本集まり、あと5万本ほど足りないそうです。制作は5月初旬から始められ、6月末までにお送りいただきたいとのことです。

林世宝氏のこれまでの活動を紹介します。

台湾に生まれた林氏は昭和61年(1986年)、24歳のときに来日し、福岡県出身の恵さんと結婚。水墨画家として数々の美術展に入賞し、日展にも初出品して初入選もしています。アーティストとして林氏の令名を高めたのは、1997年に発表した100万枚のペニー硬貨(1セント硬貨)を接着剤で重ね合せた直径3メートル、重さ3トンもある円形モニュメント「平和行進曲」」(ペニーズ・フォア・ピース)でした。

この作品のヒントは、何と神社の賽銭箱。神社の社頭でお賽銭を投げ入れて祈る日本人の姿に触発されたということです。

1993年に渡米した林氏はニューヨーク大学大学院に通いつつ、市民からペニー硬貨を集め、2年がかりでこの「平和行進曲」を完成させます。すると、ニューヨークの国連本部がロビーに展示したいと申し出てきました。しかし、林氏の国籍が台湾だったことを理由に常任理事国の中国が反対したため、残念ながら展示に至りませんでした。

そこで、1998年、ニューヨーク、台北、横浜で巡回展を開き、その後、広島大学に創立50周年記念として寄贈され、5月28日、広島大学附属中央図書館1階ロビーで多数の来賓が見守るなか除幕式が行われています。

以来、林氏は、多くの人々の「心」を集めてメッセージを発信する「行動アート」と呼ぶ表現活動をしてきており、今回、愛知万博に出品が決まった「智恵の門」は、平和の理性を象徴する高さ5メートルの凱旋門のような形のモニュメントにするそうです。テーマは「ペンは剣よりも強し」。林氏は「ペンで表現される思想や文学の力は、剣や武力よりも大きな力を発揮する。人間の善の本能を呼び起こし、理性で平和を唱えてゆきたい」(平成16年11月17日付「西日本新聞」)と語っています。

因みに、林氏の「智恵の門」は、愛知万博の最後を飾り、9月1日から最終日の25日まで、瀬戸会場の「海上(かいしょ)広場」で展示されるそうです。

ペンの受け入れ先となっている春日井市の瀬戸さんは、林氏が来日して以来交友関係が続いている方で、「台湾は日本にとって大切なところ。日本人の善意に期待したい」と話しています。

また、林世宝氏は、第2回台湾李登輝学校研修団に参加した竹崎俊茂(劉俊茂)氏のいとこに当たる方でもあり、東京・錦糸町で台湾料理の店を開く竹崎氏は、「9月1日の除幕式には台湾を愛する多くの方に参加していただきたいし、展示期間中に彼の作品を見て下さい」と話しています。

では、クレヨンやクレパス以外、鉛筆、ボールペン、筆、マジック、マーカーなど使用済みの筆記用具でしたら何でもよいとのことです。大きさも問わないそうです。送付先は下記のとおりですので、皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

【送付先】〒486-0801 愛知県春日井市上田楽町579-61 瀬戸和江さん宅