本日2月28日は、台湾人にとってはけっして忘れることのできない日です。それは1947年のこの日、二二八事件が勃発したからです。

台湾人はこの事件で、中国人政権の残虐性を初めて体験しました。当時、国家の将来を担うべき優秀なエリートを中心に、3万人もが虐殺されたのです。その惨たらしさは、おそらく日本の皆様には想像も及ばないものでしょう。

そして中国人は現在、再び台湾に不幸をもたらそうとしているのです。台湾の武力併呑の動きがそれです。中国が台湾併呑を正当化するため、今まさに制定しようとしている「反国家分裂法」などは、ならず者が他人の財産を奪うため、自分で勝手に作り出すような法律であり、これほど不条理なものはありません。

今後もこのような行為を許しつづけては、台湾のみならず、東アジア全体の法秩序は維持できなくなることでしょう。

これは日本にとってもまったく他人事ではないのです。台湾も日本も真に平和を念願するなら、中国の侵略の野心を座視してはなりません。

私たちは本日、台湾において、中国の侵略と併呑に反対し、台湾を護るという運動を展開中ですが、東京でも在日台湾人や日本人がこれに呼応してデモを行われると聞き、とても感動しております。ことに台湾を応援してくださる日本の皆様の義侠心は、誠にありがたいことです。ここに台湾人民を代表して厚く御礼申し上げます。

お互いがんばりましょう。皆様の御健闘をお祈りいたします。

 2005年2月28日

李 登輝