日本李登輝友の会の阿川弘之会長、そして副会長の皆様、理事の皆様、会員の皆様、日頃より台日関係の強化のためにご尽力いただき、衷心より感謝し、敬意を表します。また今年9月6日に台北で行った台湾正名運動では、貴会からは大勢の方々が参加され、我々台湾人を大いに励ましてくださいました。ここに厚く御礼申し上げます。

本日の催しである「日台共栄の夕べ」についてはまず第一に、この名称を聞いて大変嬉しく感じました。私はこれまで「日本と台湾は運命共同体である」と申してきましたが、この「日台共栄」という言葉こそ、両国が実現を目指すべき理想を言い表したものだからです。今後両国民の間でこの理念が、広く浸透して行くことを願ってやみません。

来年3月に総統選挙を控える台湾は、現在国名改正を訴える台湾正名運動や台湾独自の憲法を打ち立てようとする制憲運動が盛り上がりを見せるなど、歴史の大転換期を迎えつつあります。そしてこのようなうねりによって台湾は、中国の覇権主義から東アジア全体の平和と安定を守るための砦になろうとしています。

このような情勢の中で台湾と日本の愛国者には、お互いに同志として提携し、両国の共栄、そして全アジアの平和のため、新たな歴史の扉を開いて行くことが求められているのです。そこでぜひとも皆様には、これからもお力をお貸しいただけるようお願いいたします。

最後に、今日の集いが盛会であることと、日本李登輝友の会の今後のさらなるご発展をお祈りいたします。

 2003年11月30日

 李登輝