熊本日日新聞の報道より

周知のように、半導体の受託生産で世界最大手の台湾のTSMC(台湾積体電路製造)は現在、熊本県菊陽町に工場を建設中です。TSMCの本社は新竹市内にあり、工場の多くは新竹市と宝山郷内にまたがる新竹サイエンスパーク内にあります。

7月18日、菊陽町と宝山郷は台北駐福岡弁事処の仲介により、菊陽町役場において「友好交流協定」を結んだそうです。双方とも、農業が盛んで豊かな田園風景が残り、TSMCなど最先端技術の工場がともに立地し、国の半導体産業を支える共通点があることから、互いに工場が立地する自治体として行政レベルで連携を進めていくそうです。

心から祝意を表し、下記に地元紙「熊本日日新聞」の記事をご紹介します。

本年11件目の日台の都市間提携として、7月15日に山口県と台南市が「観光、物産、経済交流協定」を締結したばかりですが、これで今年は12件となり、かなりのハイペースで日台間の都市間提携が結ばれています。これまで、年間21件だった2017年が最高でしたが、今年はそれに迫る勢いです。

ちなみに、日台間の都市間提携は、1979年10月の青森県大間町と雲林県虎尾鎮の「姉妹町」締結以来、菊陽町と宝山郷の「友好交流協定」で126件(本会調査)となります。

また、菊陽町の吉本孝寿町長は「日台共栄首長連盟」のメンバーです。同じくメンバーの熊本県小国(おぐに)町の渡邉誠次町長も、台北市士林区と友好都市締結を協議していることを明らかにしています。

今年は、熊本を中心に九州と台湾の交流が急速に進んでいて、目を離せません。


ともにTSMC進出地…熊本・菊陽町と台湾・宝山郷が交流協定 水の保全や交通で情報交換も

【熊本日日新聞:2023年7月18日】

熊本県菊陽町は18日、台湾の新竹県宝山郷と友好交流協定を結んだ。宝山郷は農業が盛んだった地域に、台湾積体電路製造(TSMC)が進出してきた自治体。町は似た境遇の宝山郷と交流を深めて、まちづくりに生かしたい考え。「郷」は日本の町に当たる行政区分。宝山郷は、台湾北西部にあり人口約1万4千人。

町役場で締結式があり、両自治体の職員ら計約30人が出席した。今後、スポーツを通した住民間の交流をはじめ、水の保全や交通といったインフラの課題について情報交換を進める。邱振[王韋]郷長は「経験を共有し、両地域の発展が進むよう期待している」とあいさつ。吉本孝寿町長は「半導体産業を支える自治体として、文化や経済を理解し交流を深めたい」と強調した。

台湾の台北駐福岡経済文化弁事処(福岡市)が、菊陽町に宝山郷との共通点があることを紹介し、締結につながった。