7月6日、福井県おおい町と新北市淡水区が「友好交流都市覚書」を締結しました。淡水公所において行われた調印式には、おおい町の中塚寛町長と淡水区の巫宗仁区長が臨み、日本台湾交流協会の服部崇・副代表や新北市政府秘書処の錢念群・専門委員などが立ち会ったそうです。

ご縁は、1915年に福井県に釘を使わずに建てた民家を淡水に移築したことだったそうです。移築の途中で、この古民家を建てたのは、福井県おおい町出身の小説家、水上勉(みずかみ・つとむ)の父で宮大工だった水上覚治(かくじ)氏だったことが分かり、5年の歳月をかけ、2011年に「一滴水(いってきすい)記念館」と名付けられて完全移築されたことから、おおい町と淡水区の交流がはじまり、今回の「友好交流都市覚書」に至ったそうです。

心から祝意を表するとともに、下記に6枚の写真とともに詳しく調印式の模様を伝える新北市の「市政新聞」と、一滴水記念館の写真を敬愛して報じた中央通信社の記事をご紹介します。

なお、今年は台湾との都市間提携が多く、北海道余市町が5月19日に宜蘭県員山郷と「友好交流協定」を結んですでに9件目となっており、今回の福井県おおい町と新北市淡水区の「友好交流都市覚書」で10件目となりました。また、1979年10月の青森県大間町と雲林県虎尾鎮の「姉妹町」締結以来、124件(本会調査)となります。

◆淡水區推動城市外交與日本福井縣大飯町簽署友好交流MOU【新北市市政新聞:2023年7月6日】


新北市淡水区と福井県おおい町、友好交流都市の覚書に調印/台湾

【中央通信社:2023年7月7日】

北部・新北市淡水区は6日、福井県おおい町と友好交流都市の覚書に調印したと発表した。双方は今後、長期にわたる友好関係を維持し各分野での交流を推進することで一致した。

双方はおおい町出身の作家、水上勉の父、水上覚治が建てた古民家が、市民団体の働きかけなどにより淡水区に移築され、「一滴水記念館」として利用されたことをきっかけに交流が続いていた。

巫宗仁淡水区長は、記念館が淡水区とおおい町、同町の文化施設「若州一滴文庫」の深い友好・交流関係を結び付けてくれたとし、覚書の調印で今後さらなる交流の深化や双方の発展促進に寄与すると期待を寄せた。