櫻井よしこ氏と高市早苗氏の間柄は、櫻井氏は高市氏について「反対する人々でさえその意見に耳を傾けなければならない正論の人」と評し、高市氏も櫻井氏について「長年の憧れの女性であり、最も尊敬するジャーナリスト」と述べるように、双方が「日本を愛し、日本の現状を憂う」(櫻井氏)高潔の士と尊敬し合う間柄だ。

そのお二人が2021年から2022年4月にかけて『言論テレビ』で行われた対談を素に本書は編まれている。

本書は、ロシアによるウクライナ侵略を巡って、日本の核共有問題など日本の安全保障問題を中心に論じられているが、台湾関係者には、最終章の第6章「台湾有事の日本」から読むことをお勧めしたい。お二人とも「中国の『台湾の奪取』はすでに始まっている」と指摘し、具体的に台湾在留邦人の安全確保計画の策定や日米台の連絡体制の構築などを挙げ、「最悪の事態への備えが必要だ」と警鐘を鳴らす。台湾有事は日本有事という認識でも一致し、台湾有事シミュレーションに台湾を入れるべきとも提唱している。

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【産経新聞出版 発売:2022年5月30日 定価:968円(税込) 新書判・並製・224頁】

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