ホームページに掲載された沼田幹夫・日台交流協会台北事務所代表の声明

日本は2002年5月に台湾の世界保健機構(WHO)の年次総会(WHA)へのオブザーバー参加を支持して以来、米国とともに一貫して台湾のWHA参加を支持してきた。

今年の第72回世界保健総会は5月20日から28日までスイス・ジュネーブで開催されるが、台湾には登録期限の6日までに招待状が届いていない。今年も中国の圧力によって妨害され、難しい模様だ。中国は、人間の命より「一つの中国」というスローガンが大事なようだ。

5月7日、河野太郎・外務大臣はツイッターに堂々と「国際化の進展に伴い、世界的な公衆衛生危機対応の強化は不可欠であり、感染症対策等に地理的空白を生じさせないためにも、台湾がオブザーバーとしてWHO総会に参加することを、日本として支持します」とツイートし、日本の立場を改めて明らかにした。

蔡英文総統が安保対話を求めたときも、このような堂々たる立場表明をしてもらいたかったが、それはともかくとして、台湾を重要なパートナーと位置づける日本なのだから、このような明瞭な表明こそ望ましいことは言うまでもない。

沼田幹夫・日本台湾交流協会台北事務所代表も5月8日、ホームページで「台湾が何故またWHOから排除されなければならないのか,正当な理由は認められません」として参加支持を表明した。

<日本は一貫して台湾のWHO総会へのオブザーバー参加を支持してきました。10年前,WHOは台湾の総会へのオブザーバー参加を認めました。その台湾が何故またWHOから排除されなければならないのか,正当な理由は認められません。感染症対策をはじめとする国際的な保健課題への対応に地理的空白を生じさせないためにも,日本は引き続き台湾のWHO総会へのオブザーバー参加と技術会合への参加を支持します。>

◆河野外相:台湾がオブザーバーとしてWHO総会に参加することを、日本として支持します。[5月7日20:04]

◆沼田代表:台湾のWHO参加について[5月8日]


河野外相、台湾のWHO総会参加をツイッターで支持

【中央通信社:2019年5月8日】

河野太郎外相は8日、ツイッターを更新し、スイス・ジュネーブで20日に開幕する世界保健機関(WHO)年次総会への台湾のオブザーバー参加を日本として支持するとの立場を表明した。投稿には賛同や感謝を示す返信が多く寄せられており、同日午後6時半現在約2700件の「いいね」が集まっている。 

河野外相は投稿で、「国際化の進展に伴い、世界的な公衆衛生危機対応の強化は不可欠」と指摘。感染症対策などに地理的空白を生じさせないため、「台湾がオブザーバーとしてWHO総会に参加することを、日本として支持します」とつづった。 

外交部(外務省)の公式ツイッターは8日、河野外相の投稿を引用し、日本語で感謝の意を表明。「日本の友人からの応援は、台湾のWHO総会参加が世界の健康安全保障にとっていかに重要で、また台湾2300万人の基本的人権が無視されていることがいかに不公平なことかを浮き彫りにするもの」とした。 

台湾は2009年から16年までWHO総会にオブザーバー参加していたが、17年以降は中国の圧力により出席できていない。今年も出席手続き締め切り日の6日までに招請状が受け取れなかったものの、台湾の参加に対する支持が複数の国から寄せられている。 

米下院は8日、台湾の国際組織への有意義な参加を支持する「2019年版台湾保証法案」を可決した。親台派のイタリア元老院議員は3日、WHOのテドロス・アダノム事務局長に台湾の参加支持を呼び掛ける書面を送付した。