日本政府は4月29日、平成30年春の叙勲受章者を発表し4,151人が受章し、外国人叙勲は62ヵ国・地域の140人が受章した。そのうち台湾からは、馮寄台(ひょう・きだい Chi-tai Feng)元台北駐日経済文化代表処代表と廖了以(りょう・りょうい Liao Liou-yi)元亜東関係協会会長が旭日重光章、李傳洪(り・でんこう Lee Chwan-hong)薇閣文教公益基金会董事長が旭日中綬章を受章した。

心から敬意と祝意を表し、内閣府が発令した受章者名簿を下記に紹介するとともに、日本台湾交流協会もームページで掲載しているので、併せて下記にご紹介したい。

なお、2002年2月から交流協会台北事務所(現、日本台湾交流協会台北事務所)代表に就いていた内田勝久氏が2005年から台湾の方々への叙勲を復活させ、その春の叙勲で蔡茂豊氏(台湾日本語教育学会元理事長、元東呉大学外国語学院院長)が旭日中綬章を受章したことを嚆矢として、今回の叙勲で受章者は54人となっている。

また廖了以氏は、早稲田大学に留学経験のある豊原市長をつとめた父、廖忠雄と日本人の母、佐藤節子の子で、兄は中央研究院院士の廖一久氏。廖一久氏も2014年の春の叙勲で旭日中綬章を受章しており、兄弟受章となった。

父と同じく豊原市長をつとめ、台中県長を経て李登輝氏の総統時代に内政部長、馬英九総統時代に総統府秘書長をつとめた後、2012年2月から亜東関係協会会長に就任した。

現在、最高経営顧問をつとめる中国信託フィナンシャルホールディング(CTBC Financial Holding)は台湾の大手金融グループで、台湾最大規模の民間金融機関でプロ野球チームの中信兄弟を保有する中国信託商業銀行を中核企業に抱え、馮寄台氏が董事長の中信金融管理学院もCTBCの一員。

◆平成30年春の外国人叙勲 受賞者名簿(平成30年4月29日、内閣府)


平成30年春の外国人叙勲における台湾の受章者

【日本台湾交流協会:2018年4月29日】

4月29日、日本政府は平成30年春の外国人叙勲受章者を発表しました。その中で下記のとおり、日台間の友好関係の増進等に顕著な功績があったとして、台湾から3名の方が受章されました。

日本台湾交流協会としても日台関係の発展のために長年にわたり献身的なご尽力をされてこられたご貢献に衷心の敬意と謝意を表します。

勲章:旭日重光章

氏名:馮寄台

主要経歴:元 駐日台北経済文化代表事務所代表
     現 中信金融管理学院董事長

功労概要:日本・台湾間の友好親善及び相互理解の促進に寄与

功労詳細:馮寄台氏は,平成20年9月から平成24年5月にかけ,駐日台北経済文化代表事務所代表 
     (以下,駐日代表)の任を務められ,日本と台湾間の友好・協力関係の促進に寄与され
     ました。同氏の駐日代表在任中には,日台間において「日台『絆』イニシアティブ」
     等,多数の取り決めが締結され,双方の協力関係と交流の促進に大きく貢献されまし
     た。台湾より破格の義援金が寄せられた東日本大震災の発生に際しては,同氏も日本メ
     ディアに激励の言葉を寄稿される等,日本に対する台湾の友好の意を示されておりま
     す。3年半の駐日代表任期において,日本各界との幅広い交流を通じ,日台各方面の協
     力関係強化を大きく推進されました。

勲章:旭日重光章

氏名:廖了以

主要経歴:元 亜東関係協会会長
     現 中国信託フィナンシャルホールディング最高経営顧問

功労概要:日本・台湾間の友好親善及び相互理解の促進に寄与

功労詳細:廖了以氏は平成24年2月から翌年4月まで,台湾における対日交流窓口機関である亜東関
     係協会(現 台湾日本関係協会)の会長を務められ,日台間の友好親善及び相互理解の
     促進に寄与されました。同氏の在任期間中には,17年間にわたり協議が続けられてきた
     日台民間漁業取決めや,産業協力分野の拡大に関する架け橋プロジェクト協力強化に関
     する覚書など重要な協力文書が作成されました。また,同氏は亜東関係協会会長退任後
     も,中国信託フィナンシャルホールディング最高経営顧問として「台日産業連携金融
     サービス戦略連盟」協力覚書の署名に立ち会う等,日台産業間提携の推進に寄与してき
     ています。

勲章:旭日中綬章

氏名:李傳洪

主要経歴:現 薇閣文教公益基金会董事長
     現 台北市私立薇閣小学校・中学校董事長
     現 東亜経済協会(東亜経済人会議)台湾側常務監事

功労概要:台湾における日本語教育の普及及び日本・台湾間の交流促進に寄与

功労詳細:李傳洪氏は,台北市私立薇閣小学校・中学校董事長を長年務められており,小中一貫の
     語学教育を通じ台湾における年少者の日本語教育普及に寄与されるとともに,日台の学
     校間交流やサマーキャンプ等の活動を通じて日台青少年交流に貢献されました。また,
     平成26年から東亜経済人会議に台湾側監事として,日本との経済協力を推進される等,
     日台企業間協力に尽力されてきました。