姉妹館締結を終えて握手する出川哲朗・大阪東洋陶磁美術館長(左)と林正儀・故宮博物院長(故宮博物院のHPより)

8月21日、大阪市立東洋陶磁美術館と国立故宮博物院が「姉妹関係協力覚書」 を締結し、故宮博物院において出川哲朗(でがわ・てつろう)大阪市立東洋陶磁美術館館長と林正儀・国立故宮博物院院長が署名した。心から祝意を表し、台湾国際放送の記事を下記にご紹介したい。

兵庫県立考古博物館が十三行博物館と共催で7月22日から9月3日まで「台湾パイワン族の文化」展を開催することを本会メールマガジン『日台共栄』誌上などでお伝えしたとき、近年、日本と台湾の博物館が提携するケースが増えていることも併せてお伝えした。2013年以降で本紙調査による提携は下記の9件に及んでいる。

・京都大学と成功大学が博物館協力覚書を締結( 2013年9月11日)
・国立歴史民俗博物館と国立台北芸術大学が交流協定を締結( 2013年10月2日)
・西都原考古博物館と十三行博物館が姉妹締結( 2013年12月23日)
・国立民族学博物館が順益台湾原住民博物館と学術協力協定( 2014年4月1日)
・国立民族学博物館と国立台北芸術大学が交流協定を締結( 2014年5月15日)
・国立歴史民俗博物館と国立台湾歴史博物館が協力協定を締結( 2014年7月10日)
・国立民族学博物館と国立台湾歴史博物館が学術研究交流協定を締結 (2015年10月16日)
・アイヌ民族博物館と国立博物館が博物館協定を締結( 2015年11月29日)
・兵庫県立考古博物館と十三行博物館が姉妹館提携と学術文化交流協 定を締結(2017年2月8日)

今回の大阪市立東洋陶磁美術館と国立故宮博物院の「 姉妹関係協力覚書」締結で10件目となり、年に2件ずつ提携されていることになる。日台間ではこのような分野でも提携が進んでおり、50年の歴史を共有する日台ならではの事柄なのかもしれない。

国立故宮博物院では早速、この締結を記事にして7枚の写真とともにホームページに掲載している。これも併せて下記にご紹介したい。

言論を弾圧しても自国に不利な歴史を封じようとする中国、日本と提携して歴史を共有しようとする台湾。はからずも中国と台湾の対照的な姿勢が明らかになった。

◆大阪市立東洋陶磁美術館

◆故宮再添姐妹館 今與日本大阪市立東洋陶磁美術館正式簽約[8月21日]


故宮、日本の東洋陶磁美術館と姉妹に

【台湾国際放送:2017年8月21日】

国立故宮博物院が日本の大阪市立東洋陶磁美術館と姉妹関係を結んだ。国立故宮博物院では21日、日本の大阪市立東洋陶磁美術館との姉妹関係締結セレモニーが行われ、故宮博物院の林正儀・院長と東洋陶磁美術館の出川哲朗館長が協力覚書に署名した。今回の姉妹関係締結は林正儀氏が故宮博物院の院長に就任して以降、米国のサンフランシスコ・アジア美術館との姉妹関係締結に続く、国際交流の成果。

国立故宮博物院と東洋陶磁美術館は今後、展示会の強化、研究と教育の普及など様々な面での協力を深め、互いの友好関係をさらに強化することで、豊かな文化芸術研究の成果と展示会の成功を目指すことになる。

東洋陶磁美術館は1982年に設立され、主に中国大陸、韓国、そして一部日本の国宝級の陶磁器を収蔵している。収蔵品は6000点あまりで、質、量ともに日本で屈指の陶磁器の美術館だという。