去る5月20日、台北市内において、和歌山市(尾花正啓・市長)と台北市(柯文哲・市長)が交流促進に向けた覚書を締結しました。

心から祝意を表し、中央通信社が「調印式は和歌山市出身の平松徳松氏が日本統治時代の台北市に建設したかつての料亭『紀州庵』の創建100周年記念式典の中で行われ、台北市の陳景峻副市長と和歌山市の尾花正啓市長が覚書にサインした」と伝えていますので、下記にご紹介します。

和歌山市はこの「紀州庵」との交流があり、2015 年11 月には台南市を公式訪問するなど、台湾との交流が密になり、昨年3月には和歌の浦アート・キューブにおいて「台湾の夕べ ~台湾を知ろう~」を開催、台湾茶の講習会や紀州庵の映像を紹介しています。

台湾大学都市計画研究所などの協力で、2014年に台北市指定古跡として甦った美しい日本瓦の紀州庵

2012年夏に撮影した一葉。1990年代、二度の火災で焼け残った「離れ」も、保護のため鉄屋根で覆われている状態だった(本会台北事務所撮影)

また、9月には「台湾の夕べ」第2弾として「台湾映画の上映」として映画「櫻之聲」を上映するなど、積極的に台湾を紹介するイベントを開催してきたそうです。

一方、本誌でもご紹介しましたが、昨年9月はじめには全国の地方議会議員で作る「全国日台友好議員協議会」が「日台交流サミットin和歌山市」を開き、「日台友好和歌山市議会議員連盟」会長の遠藤富士雄・和歌山市議会議員が発表した「和歌山宣言」を採択、国連専門機関の一つである国際民間航空機関(ICAO:イカオ)等の国際組織への台湾の参加支持を表明しました。

9月末には和歌山市議会が「台湾(中華民国)の国際民間航空機関(ICAO)など国際機関・国際連携への正式加盟・参加について支援を求める意見書」も可決しています。

ちなみに、この和歌山市と台北市の「交流促進覚書」の締結により、日台の姉妹都市や友好交流都市などの都市間交流は1979年以来、65件(本会調査)を数え、今年に入ってすでに8件目となります。

これまで年間5件以上の都市間提携は2012年の5件が初めてでしたが、2013年は7件、2014年が8件、2015年が6件、2016年が14件となっていて、昨年に迫る勢いです。いかに日本と台湾が緊密な関係にあるかをまざまざと証しているのが、この都市間提携です。

1)01月11日 熊本県と熊本市が高雄市と「友好交流協定」を締結
2)01月13日 大分県竹田市と高雄市田寮区が「観光文化友好交流都市協定覚書」を締結
3)02月08日 福岡市と台北市が「起業支援交流覚書」を締結
4)02月09日 大分県中津市と台中市が「自転車旅行と観光交流の促進に関する協定」を締結
5)02月10日 三重県と台中市が「国際交流促進覚書」を締結
6)02月17日 栃木県と高雄市が「経済と教育分野における友好協力覚書」を締結
7)02月21日 宮崎県と新竹県が「友好都市交流協定」を締結
8)05月20日 和歌山市と台北市が「交流促進覚書」を締結


台北市と和歌山市、覚書締結 文化や観光での交流促進へ

【中央通信社:2017年5月22日】

台北市は20日、和歌山市と交流促進に向けた覚書を締結した。調印式は和歌山市出身の平松徳松氏が日本統治時代の台北市に建設したかつての料亭「紀州庵」の創建100周年記念式典の中で行われ、台北市の陳景峻副市長と和歌山市の尾花正啓市長が覚書にサインした。陳副市長は「文化や観光など多分野における双方の協力関係を前進させるきっかけにできれば」と期待を示した。

尾花市長は、両市が今後文化、芸術、伝統を基礎としてより交流を深めていければと話した。

式には和歌山市から尾花市長のほか、市議会の野嶋広子議長や平松氏の孫の喜一郎さんなど60人余りが出席。八代将軍・徳川吉宗にちなみ「吉宗桜」と名付けられた桜の植樹や記念プレートの除幕も行われた。

1917年に建設された紀州庵は元々は3棟があったが、現存しているのはその「離れ」のみ。離れは2004年に市定古跡に登録され、修復工事を経て2014年5月から文化拠点「紀州庵文学森林」の施設として活用されている。