洪主席によって国民党は先鋭化するものとみられる。国民党の終わりの始まりか

26日、空席となっていた国民党主席の補欠選挙が行われ、洪秀柱・前立法院副院長が56%の投票率を獲得して新主席に決まった。代理主席を務めていた黄敏恵・前嘉義市長は33%の得票率で後塵を拝した。洪主席は国民党初の女性主席で、28日に就任の予定。

統一志向の強い洪秀柱氏と、台湾人意識が強い南部の嘉義市長を長らく務め市政に一定の評価を残した黄敏恵氏の戦いは、国民党内の「統一派」対「本土派」の戦いとも言われた。しかし、黄氏は嘉義市など中南部では優勢だったが、都市部に支持者が多い国民党特有の党員分布構造から劣勢にまわった。

黄氏には呉敦義副総統や王金平前立法院長をはじめとする重鎮らの支持が集まったが、洪氏は8万6千とも言われる「黄復興」派閥(栄民と呼ばれる退役軍人による派閥)が強力に支持しており、選挙前から大勢は決したものと見られていた。

国民党主席選挙について報じた西日本新聞の記事を下記に紹介したい。


台湾の国民党、新主席に洪氏 強い統一色、民意に逆行

【台北・横尾誠】台湾の国民党は26日、1月の総統選で惨敗し引責辞任した朱立倫氏の後任を決める主席選挙を行い、前立法院副院長(国会副議長)の洪秀柱氏(67)が、主席代行の黄敏恵副主席(57)ら3氏を破り当選した。洪氏は総統選でいったん党公認を得たが、中国との統一色が強い発言を連発して支持率が低迷、公認を取り消された人物。「台湾人意識」を高める民意に逆行する人選ともいえ、党再生の道は一段と不透明さを増した。同党の女性党首は初。任期は来年8月まで。

選挙は事実上、洪氏と、洪氏の統一志向を警戒する勢力に推された黄氏の、女性2人の一騎打ちだった。

党本部の発表によると、洪氏の得票数は7万8829票(得票率56.16%)、黄氏は4万6341票(同33.02%)。党費納入期間などの規定を満たした党員約33万7千人の直接投票で投票率は41.61%だった。

「台湾の主流の民意から離れている」と批判され総統候補から引きずり降ろされた洪氏が勝利した背景には、人材不足に加え、党員構成の要因がある。同党は中国大陸から戦後台湾に渡った外省人系の党員がもともと多い。中でも「中国人意識」の強い退役軍人らで作る党内組織「黄復興党部」(公称約19万人)は党活動に熱心で「党内選の勝敗を左右する」とされる。外省人の両親を持つ洪氏はこうした党員の支持を集めた。一方黄氏は、台湾色を強める方向で党勢立て直しを唱える「本土派」の支援を受けたが及ばなかった。

総統選で国民党は、馬英九政権が「中国への傾斜を過度に高めた」と批判され、同時実施の立法委員(国会議員)選でも大敗、議席数は定数の3分の1を下回る少数野党に転落した。洪氏の党運営次第でさらに民意から離れ「小政党化」が進むとの見方も出ている。(2016年3月27日付・西日本新聞朝刊)