20160223-01

建物は今後整備が進められていくという(自由時報の報道より)

台湾紙・自由時報の報道によれば、日本時代末期に台湾東部、花蓮港庁吉野村(現在の現在の花蓮県吉安郷)にあった「花蓮港庁吉野村煙草耕作指導所」の建物が歴史建築として登録されたという。

日本時代、台湾総督府は東台湾でタバコの葉の栽培を奨励しており、今回登録された建物は吉野村内に複数あった移民指導所の建物のうちの一つだという。吉安国民小学校のはす向かい、花蓮区農業改良場に隣接する建物は土地面積が181坪、生い茂っていた雑草も取り除かれ、今後さらに整備を進めていくという。

花蓮県文化局によれば、指導所はレンガと木造の混合建築。日本時代は総督府が推し進めたタバコの専売制度によって移民村ではタバコの葉の栽培が奨励されており、類似の建築物が多く建てられたという。

今回、登録された建物は、資料によれば昭和10年(1935年)に土地の登記がなされ、花蓮港庁によって使用権が取得された。昭和13年に所有権も花蓮港庁に移り、建物が実際に建築されたのは日本時代末期だろうと推測されている。戦後も台湾省菸酒公売局(専売局)によってタバコの葉の加工工場として用いられており、戦前戦後を通じてタバコ専売の歴史を見つめてきた建物といえよう。

【台湾国内での報道を本会台北事務所でまとめたものです】