20150814戦後70周年の安倍談話が8月14日夜に発表された。

「侵略」の文言を盛り込むか、「おわび」を表明するかなど、談話発表前からその内容についての報道が加熱していたが、発表された安倍談話では、これまでの村山談話(50周年)や小泉談話(60周年)では全く触れられなかった台湾について言及された。該当箇所は下記の通り。

「先の大戦への深い悔悟の念と共に、我が国は、そう誓いました。自由で民主的な国を創り上げ、法の支配を重んじ、ひたすら不戦の誓いを堅持してまいりました。七十年間に及ぶ平和国家としての歩みに、私たちは、静かな誇りを抱きながら、この不動の方針を、これからも貫いてまいります。

我が国は、先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました。その思いを実際の行動で示すため、インドネシア、フィリピンはじめ東南アジアの国々、台湾、韓国、中国など、隣人であるアジアの人々が歩んできた苦難の歴史を胸に刻み、戦後一貫して、その平和と繁栄のために力を尽くしてきました。

こうした歴代内閣の立場は、今後も、揺るぎないものであります」

安倍談話については、台湾でも大きく報道されており、歴代の内閣が発表した主な談話では初めて台湾に触れたことが、却って安倍政権による台湾重視の姿勢を示しているとの見方も出ている。

また、民進党は安倍談話の発表後、ほどなく声明を発表し「民進党は安倍談話に代表される安倍政権の姿勢を受け入れる。安倍首相の歴史を正視しようとする態度は、地域の平和と安定に寄与するだろう。日本と台湾はともに平和、民主主義、自由の価値を共有している。また、日台はアジア地域における最も重要なパートナーであり、アジア太平洋地域における安全保障の問題についても密接かつ不可分の関係を有している。民進党は、日台がより緊密に協力しあい、地域の平和、民主、繁栄に貢献することを期待している」などと述べた。

(本会台北事務所)