20100415著者の井尻秀憲・東京外国語大学教授が「今なぜ、李登輝か」をテーマに、2002年(平成14年)から足掛け7年にわたって李元総統にインタビューを繰り返してまとめた『李登輝の実践哲学』(ミネルヴァ書房)が翻訳され、台湾で刊行されている。

本書は、李登輝元総統がいかにして台湾に民主化をもたらし、中国との外交チャンネルを維持しつつ、どのようにして国交のない国々との外交を通じて台湾の国際的地位を向上させてきたのか、その歴史的偉業である「台湾経験」の背景を、「李登輝のどのような素養、資質が『12年間の施政とその後』の政治生活で役に立ち、思想的バックボーンとして働いてきたのか」(第1のモチーフ)など、5つのモチーフから迫る濃密な内容だ。

こうした書籍が台湾で刊行されることで、民主化を進めた李登輝総統のバックボーンである哲学思想を理解する一助となることを願ってやまない。ちなみに、台湾版の表紙に使われている李登輝氏の写真は、2007年に奥の細道を散策した際に撮影されたものだ(桜は合成)。

『李登輝的實踐哲學』
作者:井尻秀憲
譯者:蕭志強
出版社:允晨文化
言語 :繁體字中国語
ISBN:9789866274015

※本書は台湾での販売のため、日本では市販されておりません。
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