20100215【著者・片倉さんの紹介文から抜粋】このたび、交通新聞社から『台湾鉄路と日本人』という一冊を出させていただきました。表題のように台湾の鉄道の歴史と、そこに絡んだ日本人、そして、台湾人鉄道員について書いた一冊です。サブタイトルには「線路に刻まれた日本の軌跡」と入っております。

知っているようでなかなか知り得ない台湾の鉄道史ですが、今回は各線について、その歩みをご紹介しています。基隆(きいるん)と高雄を結ぶ縦貫鉄道をはじめ、集集線や平渓線といった支線の歩み、製糖鉄道や森林鉄道、台車軌道と呼ばれたトロッコなど、産業鉄道にも目を向けてみました。

第5章では台湾版鉄道唱歌とも言われる『台湾周遊唱歌』の全歌詞を解説付きで紹介しています。これは全90章で台湾各地の風物を紹介しており、その詳しさは本家の鉄道唱歌を上回ります。おなじみの鉄道唱歌の旋律で歌うことも可能です。当時の地方風情に触れていただければと思います。

また、資料性にもこだわってみました。巻頭口絵に日本統治時代と現在の路線図を入れ、巻末には7ページにおよぶ現在までの台湾鉄道史年表を付けているほか、戦後に改称された駅名一覧も付けました。そのほか、日本統治時代に発行された路線図や時刻表、そして40点を数える古写真も掲載しています。

すでに全国の書店で並んでいるはずですので、もし、機会があれば、お手にとっていただければ幸いです。以上、新刊のご報告でした。皆さんの旅のおともになれることを祈っております。

『台湾鉄路と日本人―線路に刻まれた日本の軌跡 』 片倉佳史
交通新聞社新書
ISBN-10: 433012310X