20090526-01先週末、本会関係者から、5月26日付「朝日新聞」に下記の記事があり、ここに掲載している地図が台湾を中国の領土として描いた上に、核保有国としていることをご教示いただいた。確かに、これは明らかな誤報だ。

■核拡散、強まる疑念 「闇市場」にちらつく北朝鮮の影(当該記事)

そのことを、昨日発売の「夕刊フジ」6月4日号の第3面で追及している(下記参照)。台北駐日経済文化代表処の朱文清広報部長は「それはおかしい。台湾は核保有国ではないし、中国の一部でもない」と、朝日新聞に申し入れしたという。

夕刊フジでもコメントしている本会の柚原正敬常務理事・事務局長が朝日新聞広報部に間違っていることを指摘し、訂正記事の要求をしたところ、電話口に出た広報部員は「朝日の見解は政府見解と同じです。台湾は中国の領土ではありません。核保有国でもありません」とあっさり認め、「編集部に伝えます」という至極当たり前の返答だった。

柚原常務理事が念のため「書面で申し入れをした方がいいですか」と重ねて問うと、「いえ、これで十分です」との返答で、早々に編集部に伝えることを確約した。

柚原常務理事は「訂正記事が出ることが判明したら、必ず連絡いただけますか」とも要求し、それも約束したという。

朝日新聞は、掲載した地図の間違いをできるだけ早く訂正すべきなので、多くの方から訂正要求があった方が朝日のためだ。下記に広報部の電話番号とFAX番号をご紹介したい。

■朝日新聞広報部
TEL:03-5540-7615 FAX:03-5540-7618


朝日新聞仰天掲載 台湾を「核保有国」に分類
外交窓口、反発「保有国ではないし、中国の一部でもない」

【6月4日 夕刊フジ】(6月3日発行)

■地図も中国と同じ色
朝日新聞が、北朝鮮の核実験を受けて掲載した地図で、台湾を「核保有5大国」に分類していたことが問題になっている。台湾の外交窓口は「おかしい。厳正に申し入れたい」と反発している。台湾の領土や主権をめぐっては、かつて「中国の一部」とした地球儀が社会問題化したこともある。果たして、朝日新聞は台湾を核保有国(地域)と見ているのか。それとも、中国の一部と考えているのか。

注目されているのは、5月26日付朝刊6面に掲載された「核兵器をめぐる現状」という地図。「NPT(=核兵器不拡散条約)で認められた核保有5大国」として、米国とロシア、英国、フランス、中国が赤に色づけされているが、台湾まで赤くなっていたのだ。

台湾は、面積3万6000平方キロで九州より少し小さい島。第2次世界大戦が終結した1945年以降は一貫して中華民国の統治下にあるが、49年に成立した中華人民共和国(中国)も統治権を主張している。

日本政府は72年の日中共同声明で、台湾を自国の領土とする中国の主張を「十分理解し、尊重する」としたが、認めたわけではない。政府は20005年11月、「台湾の領土的位置付けに関して独自の認定を行う立場にない」とする政府見解を閣議決定している。

今回の朝日新聞の地図について、日本における台湾の外交窓口機関である台北駐日経済文化代表処の朱文清広報部長は「それはおかしい。台湾は核保有国ではないし、中国の一部でもない。これはハッキリしている。事実を確認して、朝日新聞に厳正に申し入れをしたい」と語る。

日台交流を進める民間団体「日本李登輝友の会」の柚原正敬常務理事も「あの地図は、日本の立場とも台湾の立場とも違う。中国の『台湾は中国の一部』という言い分が反映された地図ではないのか。これまで朝日新聞については中国寄りの報道姿勢が指摘されてきたが、その現れかもしれない」と分析する。

■ミスではない?
台湾の領土や主権に関しては08年1月、出版・教材大手「学習研究社」の子会社が中国で生産していた地球儀が、中国政府の圧力を受け、台湾を「台湾島」と表記し、音声案内では「中華人民共和国」と表現していたことが発覚。「不適切な表現・表記があった」として地球儀を販売中止にし、子会社は解散した。

今回の問題について、朝日新聞広報部は、「台北駐日経済文化代表処からの申し入れがあり、当社としての見解を丁寧にご説明する予定です」とのコメントを文書で寄せた。

関係者の情報を総合すると、どうも地図はミスではなさそうだが…。