本会で前売り券お取り扱い中

NHK「JAPANデビュー」問題で、小林よしのり氏が映画「海角七号」を取り上げていましたが、さらに分かりやすいのがこの映画「台湾人生」だ。NHKに登場した柯徳三氏らと同じ日本語世代の5人の台湾人をじっくり撮った佳品。

この映画は、酒井充子(さかい・あつこ)監督が2002年から7年の歳月をかけ、日本統治時代の台湾で青少年期を過ごした5人の台湾人を取材したドキュメンタリー映画で、初監督作品。

本会のメールマガジンでも何度かこの作品を紹介し、試写会上映の案内もしてきましたが、このほど6月27日より、東中野の「ポレポレ東中野」において4週間にわたって上映されることが決まりました。6月27日、28日には酒井監督の舞台挨拶があり、公開記念として、27日には先着100名様に高級台湾茶「凍頂烏龍茶」「金宣茶」、27日~29日の来場者の中から抽選でペア1組様(2名)に「台湾往復航空券」がプレゼントされます。

NHK「JAPANデビュー」を見て怒った方、台湾の日本語世代の本音、真実の声を知りたい方はぜひ映画「台湾人生」をご覧ください。昨年12月の「日台共栄の夕べ」のおりにダイジェスト版を上映したところ、月刊「WiLL」の花田紀凱(はなだ・かずよし)編集長なども涙ながらにご覧になっていました。

前売券は各プレイガイドやチケットぴあで取り扱っていますが、本会でも取り扱っています。本会にお申し込みいただければ、郵送(送料無料)、代金後払いです。

●前売券:1,300円

お申込みフォームからお申し込みいただくか、FAX・メールにて「お名前・本会会員の方は会員番号・送付先の郵便番号およびご住所・電話番号・メールアドレス(お持ちの方)・お支払い方法」を明記の上、本会事務局までお申し込み下さい。前売券とともに「郵便払込取扱票」をご郵送します(送料無料)。

■日時:6月27日(土)午前10時40分~ (連日)

■会場:ポレポレ東中野モーニングショー
(東京都中野区東中野4-4-1/ポレポレ坐ビル地下) TEL 03-3371-0088


【台湾が日本だったころ・・・】

台湾は1895年(明治28年)から1945年(昭和20年)までの51年間、日本の統治下にあった。日本は欧米への対抗意識もあり、台湾のインフラ整備や教育の普及、治安の維持に力を注いだ。また、同化政策により、台湾での学校教育は日本語で行われたため、この時代に学校教育を受けた世代は日本語を話すことができる。いわゆる「日本語世代」と呼ばれる人々である。本作の出演者たちも、日本統治時代最末期に日本語教育を受け、日本人として生きていた。第二次世界大戦の戦況が厳しくなると、台湾でも志願兵制度に続き徴兵制度が布かれた。台湾の軍人・軍属は約21万人を数え、そのうち約3万人が死亡。また、台湾の主要都市もアメリカ軍の空爆の標的となり、市民の死傷者・行方不明者は1万5千人にのぼった。やがて日本は敗戦、大陸から来た蒋介石の中国国民党が台湾統治をはじめたが、二二八事件や白色テロなど、激しい台湾人弾圧が行われた。さらに台湾語、日本語の使用が禁じられ、日本語世代は長い間口を閉ざさざるを得なかった。1972年、日中友好条約の一方で日台の国交は断絶したが、民間レベルの交流は今なお強固なままである。その根幹は日本語世代の担うところが大きかったが、時の流れとともに世代交代が進んでいる。

激動の歴史に翻弄されながらも、人生を力強く歩んできた5人の日本語世代たちの日々の暮らしの様子を交え、日本統治時代、戦後の国民党独裁時代を経て現在に至るまでの人生をインタビューで振り返る。台湾の最も波乱に満ちた時代を生きた日本語世代が、自らの人生を振り返るときに語る言葉とは―。

本作品は酒井充子監督の初監督作品である。新聞記者を経て2000年からドキュメンタリー映画の制作および劇映画の制作、宣伝に関わりつつ、本作品の構想を練ってきた。台湾との出会いは1998年、1本の台湾映画に触発され、台湾を訪れた時に始まる。このときの、いわゆる日本語世代の老人との出会いが、のちの映画制作の原点となった。本格的に取材を始めたのは2002年から。足かけ7年におよぶ取材活動中に、病に倒れたり、鬼籍に入った人もいる。映画を通じて台湾のことを広く知ってほしいという強い思いが、限られた時間の中で再三訪台し、カメラを回す原動力となった。新聞記者時代に培った機動力と深い洞察力で、台湾と日本の忘れてはいけない歴史を浮き彫りにする。

【酒井充子監督メッセージ】

台湾の日本語世代のみなさんにお会いするたびに、背筋がピンと伸びる思いがし、自分が日本人であるということについて考えさせられます。日本に統治されていた時代に多感な青少年期を日本人として過ごした日本語世代の存在は、台湾だけではなく、日本の歴史の一部として記憶されるべきだと思います。

彼らは日本に対する複雑な思いを抱えたまま、長い道のりを歩んできました。その思いに向かってカメラを回しました。五人の登場人物へのインタビューはすべて日本語です。みなさんは、繰り返し問いかける私に根気強く向き合い、優しくときに厳しく語ってくれました。

かつて日本人だった人たちの声を聞いてください。ほんの一部ではありますが、日本が台湾でしたこと、今の日本が台湾にしていないことが浮かび上がってきます。そしてなによりも、時代にとらわれることなく、自分の人生に誇りを持って最後まで生き抜こうとする一人ひとりの姿を、尊敬の念を持って受け止めていただきたいと思います。

【5人の「日本語世代」台湾人】

台湾が日本統治下にあった時代に青春期を送った5人の台湾人のいまを追う。霧に包まれた茶畑で茶摘みに精を出す楊足妹さん(1928年生まれ)。 故郷の友人たちを訪ねる旅に出る台湾原住民出身の塔立國普家儒漾さん(1928年生まれ)。地元の公学校(小学校)の同窓会で威勢よく校歌を歌う陳清香さん(1926年生まれ)。元日本兵でボランティア解説員として台湾の歴史を伝える蕭錦文さん(1926年生まれ)。日本人教師への感謝の念を抱き続ける宋定國さん(1925年生まれ)。舞台を、台湾東部の花蓮縣、台北、高雄、南部の恒春半島、基隆、日本の千葉県鎌ヶ谷市に移しながら、彼らの日々の暮らしの様子を交え、日本統治時代、戦後の国民党独裁時代を経て現在に至るまでの人生をインタビューで振り返る。